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第2節 株式と株券及び株主名簿 [取引を行う主体]

Ⅲ 株式と株券及び株主名簿
1 株式の意味と株主の権利義務
 ① 株式の意味
   ↑株式会社の実質的所有者である社員の地位である
  ⅰ 特色
   ア)細分化された均一的な単位の形をとる
   イ)多数の出資者の資本を集めやすく、大規模企業に適した出資形態
  ⅱ 持分複数主義
   ア)株主は出資額に応じて複数の株式を所有する
   イ)均一の割合的単位であるから出来る
  ⅲ 持分単一主義:人的会社の場合
   ア)社員が出資額に応じて大きさの異なる単一の地位を有する
 ② 株主の権利・義務
  ⅰ 義務:株式の引受価額を限度とする出資義務を負う
  ⅱ 権利
   ア)自益権:会社から経済的利益を受ける権利
   イ)共益権:会社の管理運営に参画する権利/様々な監督是正権がある
   ウ)単独株主権:1株の株主でも行使できる権利
   エ)少数株主権:
    ↑総株主の議決権の一定割合または一定数を有する株主だけの権利
  ⅲ 株主代表訴訟:株主が会社の代表として取締役の責任を追及する制度
 ③ 株主平等原則
  ⅰ 定義:株主としての資格に基づく法律関係については全ての株主を
        その有する株式の数に応じて平等に取扱わなければならない
        とする原則
  ⅱ 機能:少数株主の保護
  ⅲ 内容
   ア)各株式の内容が平等であること
   イ)内容が平等なら取り扱いも平等であること
   ウ)例外:特殊の株式、少数株主権の保有期間の規定など
  ⅳ 違反の効果
   ア)原則として無効
   イ)不利益を受ける株主が承認すれば有効
2 株式の種類と形式
 ① 無額面株式
  ⅰ 無額面株式とは:定款上一定の金額の定めがない株式のこと
   ア)現在の株式はすべて無額面株式
  ⅱ 無額面株式と資本の額との関係
   ア)原則として発行済み株式の発行価額の総額
   イ)発行価額の1/2を超えない範囲で資本組入れないことができる
 ② 特殊の株式
  ⅰ 優先株・劣後株・混合株
   ア)利益・利息の配当、残余財産の分配などに差を設ける
   イ)優先株:一般の株式に比べて優先的取扱いを受ける株式
   ウ)劣後株:一般の株式に比べて劣後的取扱いを受ける株式
   エ)混合株:ある点では優先株、他の点では劣後株である株式
  ⅱ 償還株式:配当可能利益で償却することが予定された株式
  ⅲ 議決権制限株式:議決権を行使できる事項について制限がある株式
   ・発行済み株式総数の1/2を超えることが出来ない
  ⅳ 種類株主総会により取締役・監査役を選任できる株式
  ⅴ 転換予約権付株式:他の種類の株式に転換請求権が付与された株式
  ⅵ 強制転換条項付株式:会社が他の株式に転換できることが出来る
3 単元株・端株制度
 ① 単元株制度
   ↑定款により一定数の株式を異端減の株式と定め一単元の株式には一個の
    議決権を認めるが単元株未満の株式には議決権を認めない制度のこと
  ⅰ 1000株を超えて一単元とする事は出来ない
  ⅱ 発行済み株式総数の1/200を超える数を一単元とする事はできない
  ⅲ 単元未満株主は一単元となるように会社に対し売渡請求が出来る
 ② 端株制度
   ↑株式の1株に満たない端数で1株の1/100の整数倍にあたるものを
    端株として一定の自益権を与える制度
  ⅰ 会社は端株の代金を株主に払って処理することも出来る
  ⅱ 単元株制度との併用はできない
  ⅲ 原則として端株原簿に記載される
  ⅳ 端株券を発行する事はできない/端株の譲渡は出来ない
  ⅴ 端株には会社に対して買取請求が認められる
  ⅵ 会社に対して売渡請求も認められる
4 株券と株主名簿
 ① 株券とは:株式を表彰する有価証券のこと
  ⅰ 記名株券:株主の氏名が記載される
  ⅱ 有価証券性:権利の移転・行使には証券の交付・譲渡によって行われる
  ⅲ 会社に対する効力:株主名簿の記載に基づいて行われる
  ⅳ 商号などの本質的事項が記載されていないものは無効
 ② 株券の発行
  ⅰ 会社は成立後または新株払込期日後遅滞なく株券を発行する
  ⅱ 成立以前または新株払込期日以前の発行は無効
  ⅲ 譲渡制限付株式は株主からの発行請求がなければ発行しなくて良い
 ③ 株券不所持制度
  ⅰ 不所持の請求をした株主はいつでも会社に発行を請求できる
  ⅱ 株式の善意取得制度によって株式を失わないようにする制度
 ④ 株券不発行制度:定款に株券を発行しない旨を設ける
  ⅰ 未公開会社における移行手続き
   ア)株主総会における定款変更手続き
   イ)既発行がある場合は株主への通知と広告
   ウ)既発行株券はすべて無効
   エ)株券不発行制度を採用した事を登記する義務
  ⅱ 株券不発行制度採用の法的効果
   ア)株式譲渡の効力は意思表示による
   イ)株主名簿のへの記載が第3者への対抗要件
   ウ)名義書換は原則として株主と株式取得者の共同請求
  ⅲ 未公開会社における先行実施:平成16年10月1日から
 ⑤ 株券失効制度
   ↑株主が株券を喪失した場合に善意取得されることを防止するため
    会社に対し株券喪失登録をとることによって株券を無効にする制度
 ⑥ 株主名簿
  ⅰ 株主名簿とは
    ↑株主および株式・株券に関する事項を記載した帳簿
   ア)株式の行使の都度株券を会社に提出する必要をなくす
   イ)株主管理事務の円滑化を図る
  ⅱ 株主名簿の効力
   ア)株式の移転は株主名簿に記載がなければ会社に対して対抗できない
   イ)会社は株主名簿の記載をもとに株主に通知・催告を行えば免責される
  ⅲ 株主名簿の基準日
   ア)一定の基準日に記載のあるものを株主とみなす制度
   イ)株主総会において権利を行使するものを確定するための制度
5 株式の譲渡
 ① 株式譲渡自由の原則:株主は株式を原則的に自由に譲渡する事が出来る
  ⅰ 株式譲渡の対価によって投下資本を回収できる
  ⅱ 株主有限責任と相俟って多くの人から資本の集中を可能にする
 ② 株式譲渡自由の制限
  ⅰ 法律による制限
   ア)権利株の譲渡制限
    ↑株式引受人としての地位
   イ)株券発行前の株式の譲渡制限
   ウ)親会社株式の取得制限
   エ)独占禁止法の株式取得制限
   オ)証取法によるインサイダー取引の規制
  ⅱ 定款による譲渡制限
   ア)理由:会社にとって好ましくないものを排除
   イ)株式の譲渡につき取締役会の承認が必要な旨を定款に定めることができる
   ウ)原始定款に定めることが出来る
   エ)定款変更で定めるときは特殊の決議が必要
    ・特殊の決議:総株主の過半数かつ議決権の2/3以上の賛成
   ⅴ投下資本の回収手段
    ・会社に対し譲渡の承認を請求できる
    ・譲渡を承認しないときは他に譲渡の相手方を指定することが出来る
 ③ 株式譲渡の方法
  ⅰ 譲渡の意思表示とともに株券を交付する
  ⅱ 株券不発行制度
   ア)株主名簿への記載が第三者への対抗要件
6 自己株式の取得と保有
 ① 原則:会社は自己の発行済株式または持分を買い受け保有することができる
 ② 自己株式保有の弊害
  ⅰ 資本維持の原則に反する
  ⅱ 株価操作の恐れがある
  ⅲ 現職取締役の地位保全の為に用いられる危険性
  ⅳ 特定の株主のみ有利に取扱われる危険性
 ③ 弊害を除去するための手続き
  ⅰ 一定の財源規制を設ける
  ⅱ 一定の承認手続き
   ア)定時株主総会の決議
   イ)取締役会の決議
    ・子会社の株式を取得する場合
    ・定款の定めがある場合→次期の株主総会で承認を求める必要がある
 ④ 処分と消却
  ⅰ 売却処分:新株発行と同様の手続き/取締役会の決議
  ⅱ 株式の消却:特定の株式を絶対的に消滅させること
   ア)定時株主総会の決議に基づく取締役会の決議で消却する


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コメント 2

今、3級の公式テキストを読んでいます。
法律系の本って、読めない漢字がたくさん出てきて、自分の基礎学力不足を実感させられます……
by (2005-09-01 00:14) 

takasi1943

✶ n-51さんへ

読めない漢字は民法だけだと思いますよ
有斐格の小六法には付録で漢字の読み方が付いてました
民法は毎年なんらかの改正があるのですが
昨年の改正で民法も口語体になるそうです
来年度分の試験勉強からは少しは読みやすくなるでしょうね
by takasi1943 (2005-09-01 04:54) 

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