So-net無料ブログ作成
検索選択

第2節 不法行為における損害賠償額の範囲と額の算定 [取引を行う主体]

第2節 損害賠償に関する法律関係
Ⅰ 不法行為における損賠賠償の範囲と額の算定
1 不法行為責任が成立する要件
 ① 損害が発生していること
 ② 故意又は過失による行為によること
 ③ 加害行為と損害との間に因果関係があること
 ④ 加害行為が違法であること
 ⑤ 行為者に責任能力があること
2 不法行為が成立した場合の効果
 ① 被害者の加害者に対する損賠賠償責任が発生する
3 損害賠償の範囲
 ① 損害賠償の対象
  ⅰ 加害行為によって生じた損害
  ⅱ 加害行為と損害との間に因果関係があること
 ② 因果関係の3つの側面
  ⅰ 成立要件としての因果関係
  ⅱ 対象範囲の基準としての因果関係
  ⅲ 損害賠償の金銭評価としての因果関係
 ③ 因果関係とは
  ⅰ その行為がなければその損害は発生しなかった
  ⅱ 通常そのような行為があればそのような損害が生じることを予見できる
 ④ 損害賠償の範囲
  ⅰ 加害行為の結果として通常発生すべき損害(通常損害)
  ⅱ 特別の事情による損害も範囲に入る場合
   ア)加害行為のときに当事者が予見可能だった損害
4 損害額算定の基準時
 ① 物価の騰貴・下落がある場合に問題となる
 ② 因果関係からは原則として加害行為のときが基準
 ③ 特別の事情があるときはその価額になる
  ⅰ 加害行為の後に価額が高騰した場合など
  ⅱ 特別の事情についての予見可能性がなくては認められない
5 財産的損害の場合の賠償額の算定
 ① 所有権の侵害
  ⅰ 所有物が滅失した場合は滅失時の時価が損害額となる
  ⅱ 所有物が毀損した場合は修繕費用が損害額となる
 ② 生命の侵害
  ⅰ 死亡による財産的損害が損害額となる
   ア)死亡による財産的損害とは逸失利益のこと
   イ)逸失利益とは生存していれば得られたであろう収入の喪失のこと
  ⅱ 逸失利益の計算方法
   ア){(死亡当事の年収-本人生活費)×稼働可能年数}-中間利息
 ③ 身体の障害
  ⅰ 治療費、付添費、義足代などの実費
  ⅱ 治療期間中の得られなかった利益
  ⅲ 後遺障害で労働力低下により得られなかった利益など
 ④ 賃貸借の損害
  ⅰ 賃貸料相当額
 ⑤ 担保権の侵害
  ⅰ その侵害により債権が担保されなくなった部分
 ⑥ その他財産的損害
  ⅰ 名誉・信用の毀損による収入減少
  ⅱ 不法行為に基づく間接的な財産損害
   ア)自動車修理中の代替交通機関の利用代など
6 非財産的損害の算定
 ① 非財産的損害の種類
  ⅰ 精神的損害
  ⅱ 名誉・信用の毀損による損害など
 ② 精神的損害
  ⅰ 被害者が受けた精神的苦痛に相当するもの
  ⅱ 賠償額は慰謝料として支払われる
  ⅲ 慰謝料には明確な算定基準はない
   ア)加害の程度、当事者の社会的地位などが考慮される
  ⅳ 物損についての慰謝料は認められない
  ⅴ 社会てきにみて相当と思われる額が慰謝料額とされる
  ⅵ 慰謝料は硬直化する財産的侵害に対する賠償額の調整の機能
7 損益相殺・過失相殺
 ① 被害者の利益
  ⅰ 被害を受けた事で利益を受けるのは好ましくない
  ⅱ 被害者が被害を受けた際の調整手段は2つ
   ア)損益相殺
   イ)過失相殺
   ウ)調整は損害賠償の公平の為に行われる
 ② 損益相殺
  ⅰ 被害者が損害を受けながら利益も得た時に賠償額から利益を控除すること
  ⅱ 被害者の利益に該当しないもの
   ア)任意加入の生命保険・傷害保険
   イ)保険金は保険料支払に対する反対給付と考えられる
   ウ)香典・見舞金も損益相殺の対象にならない
 ③ 過失相殺
  ⅰ 被害者にも過失がある場合
   ア)損害の公平な分配という観点から考慮
   イ)損害額から被害者の過失割合額を差し引く
  ⅱ 事理弁識能力
   ア)過失相殺は被害者にも過失がなくてはならない
   イ)この場合の過失とは
    ・被害者が損害の発生を避けるのに必要な注意をする能力
    ・これが事理弁識能力である
   ウ)過失相殺の成否は事理弁式脳力だけでなく被害者の過失も考慮される
 ④ 被害者の過失
  ⅰ 被害者側の過失として考慮される事項
   ア)被害者と一定の関係にある被害者以外の者の過失
    ・被害者の子供の場合の親権者の監督責任
   イ)損害の公平な分配の観点から妥当な範囲に限定される
    ・子供であっても保育園の保育士が加害者なら過失相殺されない
8 債務不履行に基づく損害賠償責任と不法行為に基づく損害賠償責任の関係
 ① 法律関係の相違
  ⅰ 同じ点:加害者が被害者に対して損害賠償責任を負う
  ⅱ 相違点
   ア)債務不履行責任は契約などの当事者間で債権債務関係があること
   イ)不法行為は債権債務関係がなくとも成立する
 ② 債務不履行・不法行為の比較
  ⅰ それぞれ責任が認められる要件が異なる別個の制度
   ア)それぞれが独立して成立する
  ⅱ 両方の成立要件が満たされれば両方とも成立する
  ⅲ 被害者は両方の責任が成立すればどちらかを選択できる
 ③ 主張・証明責任
  ⅰ 債務不履行責任の証明責任は被害者にある
   ア)被害者は債務をきちんと履行したことを証明しなくてはならない
  ⅱ 不法行為責任の証明責任は被害者側にある
   ア)被害者は相手方の故意・過失により損害を被ったことを証明する
  ⅲ 特殊な不法行為責任は証明責任の転嫁が図られる
   ア)加害者が故意・過失のないことを証明しなくてはならない
 ④ 損害賠償請求権の消滅時効
  ⅰ 債務不履行に基づく損害賠償請求権の場合
   ア)民事債権については10年
   イ)商事債権については5年
  ⅱ 不法行為に基づく損害賠償請求権の場合
   ア)損害及び加害者を知ってから3年
   ウ)不法行為のときから20年
 ⑤ 金銭債務の特則
  ⅰ 債権者は損害の証明が要らない
  ⅱ 債務者は不可抗力を理由に債務不履行責任を免れることは出来ない
  ⅲ 履行の請求を受けた時から利率により損害賠償額が計算される
   ア)民事法定利率5%
   イ)商事法定利率6%
   ウ)約定があればその利率で計算される
  ⅳ 不法行為の損害賠償額の計算
   ア)不法行為があった時から民事法定利率の5%で計算される
 ⑥ 損害賠償額の予定
  ⅰ 履行遅滞や履行不能があったときに違約金を取る旨の契約は有効
  ⅱ 違約金は損害賠償額の予定と推定される
  ⅲ 損害賠償額の予定の効果
   ア)債務者は実際の損害が小さいことを証明しても減額できない
   イ)債権者は実際の損害が大きいことを証明しても増額できない
   ウ)裁判所は約定された予定額で判断する/これを増減することはできない


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問・資格(旧テーマ)

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。