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第2節 法律上の損害賠償責任が問題となる場面 [会社取引の法務]

Ⅱ 法律上の損害賠償責任が問題となる場面
1 企業活動上の事故
 ① 施設の欠陥や管理の不備に起因する責任
  ⅰ 第一義的には施設の管理者が責任を負う
   ア)損害発生防止のための注意を果たしたと証明できれば責任を負わない
   イ)上記証明は大変困難
  ⅱ 施設管理者の責任が問えない場合は施設所有者が責任を負う
   ア)無過失責任
② 施設の用法に伴う業務の遂行に起因する責任
 ⅰ 施設の用法に伴う業務とは
  ア)その施設がなければできない業務のこと
 ⅱ 具体例
  ア)デパートのバーゲン売り場で客が殺到したため負傷者がでた
  イ)スキューバダイビング教室の訓練中に生徒が水死したなど
 ⅲ 債務不履行責任に問われる
  ア)施設利用者に対して安全配慮義務を負っている
  イ)安全配慮義務違反にあたる
 ⅳ 同時に不法行為責任も問題になる
   ア)上記スキューバでインストラクターに故意・過失がある場合など
 ③ 請負業者が負担する責任
  ⅰ 請負業者が負う法律上の損害賠償責任は
   ア)発注者に対する債務不履行責任、担保責任
   イ)第三者にたいする不法行為責任
   ウ)地盤沈下、工事の騒音・塵埃の発生などによる損害賠償責任など
 ④ 製造物の製造者・販売者、仕事の完成者が負担する責任
  ⅰ 広い意味での製造物責任がある
   ア)他人の生命・身体を害した
   イ)他人の財物を損壊した
   ウ)他人に休業を余儀なくさせた
 ⑤ 他人の財産の受託者が損壊・盗難により預け主に対して負う責任
  ⅰ 債務不履行責任
   ア)受託者と預け主の間には契約関係が成立する
   イ)受託者の責任は受託の態様により異なる
  ⅱ 一般の商人の場合
   ア)営業の範疇内であれば善管注意義務を負う
   イ)善管注意義務の範囲内で責任を負う
  ⅲ 旅館・飲食店・浴場の場合
   ア)不可抗力によって生じたことを証明しない限り責任を負う
2 労働災害の発生に対して企業が負担する法律上の損害賠償責任
 ① 労働災害により発生する損害賠償責任の種類
  ⅰ 発生要因
   ア)従業員による負傷、疾病、後遺障害、死亡
   イ)業務の遂行による
  ⅱ 労働災害による責任の種類
   ア)労働基準法上の責任
   イ)不法行為による損害賠償責任
   ウ)債務不履行による損害賠償責任
   エ)損害担保契約による責任など
  ⅲ 損害賠償責任を免れる場合
  ⅳ 政府労災保険の履行
   ア)給付額を限度として民法上の損害賠償責任を免れる
 ② 労働基準法上の責任
  ⅰ 労働災害である限り一定の補償義務を負わせる
   ア)故意、過失、安全配慮義務違反の有無にかかわらない
   イ)一種の無過失責任である
 ③ 私法上の損害賠償責任
  ⅰ 不法行為に基づく損害賠償責任
   ア)故意、過失がある場合
   イ)故意、過失がなくとも施設に欠陥がある場合
  ⅱ 債務不履行に基づく損賠償責任
   ア)労働者の生命と健康に対する安全配慮義務違反
    a)労働契約に基づく
  ⅲ 損害担保契約上の責任
   ア)企業が就業協約、就業規則の中で法定外補償を契約した場合の責任
   イ)労働基準上の災害補償、労災保険法上の保険給付の上乗せ補償
3 公害
 ① 企業活動に伴って周辺住民の健康や生活環境が害されること
 ② 不法行為による損害賠償責任として追及される
  ⅰ 過失や因果関係の証明は極めて困難
  ⅱ 近時、被害者に有利な方理論も展開される
   ア)公害と損害との因果関係の存在については厳密な証明がいらないなど
  ⅲ 無過失責任を負わせる特別法
   ア)大気汚染防止法
   イ)水質汚濁防止法など
 ③ 公害防止のため環境アセスメントの実施手続が細かく定められている
4 自動車事故
 ① 自動車事故と損害賠償
  ⅰ 自動車損害賠償法
   ア)自家用車の所有者に適用される特別の責任
   イ)人の生命・身体を害した場合に適用
 ② 運行供用者の責任
  ⅰ 責任の過重
   ア)損害賠償責任を免れることが難しい
   イ)3つの要件のすべてを証明できれば免れえる
  ⅱ 3つの要件
   ア)自己および運転者が自動車の運行に関して注意を怠らなかった
   イ)被害者または運転者以外の第三者に故意または過失があった
   ウ)自動車構造上の欠陥又は機能上の障害がなかった
  ⅲ 無過失責任とは異なる
   ア)不可抗力の場合は責任を免れる
   イ)正当防衛による事故の場合は責任を免れる
  ⅳ 一般の不法行為と同様の点
   ア)加害行為と損害との間に相当の因果関係がある
   イ)加害者は相当の因果関係の範囲内で損害賠償責任を負う
 ③ 自動車事故と過失相殺
  ⅰ 一般の不法行為と同様に過失相殺が生じる
  ⅱ 過失相殺は類型化され諸事情を考慮して過失割合が決まる
   ア)自動車事故の数は多いので経験則によりわかっていることも多い
   イ)自賠責保険・自動車保険適用の関係上類型化する必要性が高い
5 専門職業人の損害賠償責任
  ⅰ 専門的職業人は高度の信頼関係に基づいて行われる
   ア)医師、弁護士、公認会計士など
  ⅱ 依頼者や第三者に損害を与えればその損害を賠償しなくてはならない


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