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第2節 その他債権回収に関連する事項 [債権の管理と回収]

Ⅲ その他債権回収に関連する事項
1 詐害行為取消権(または債権者取消権)について
 ① 詐害行為取消権とは
  ⅰ 債務者が一般債権者を害する目的で法律行為を行った場合にその行為の
    取消を裁判所に請求する制度である
 ② 詐害行為取消権の要件
  ⅰ 債務者が債権者を害する法律行為(詐害行為)をしたこと
   ア)債権者を害するとは無資力になることである
  ⅱ 債務者が詐害の事実を知っていること
   ア)立証責任は債権者にある
  ⅲ 詐害行為の受益者、あるいは受益者からの転得者が悪意であること
   ア)立証責任は受益者あるいは転得者にある
   イ)受益者悪意で転得者善意の場合、転得者には取消権を行使できない
   ウ)受益者善意で転得者悪意の場合は転得者でも取消権を行使できる
 ③ 具体的事例にみる詐害行為と認められるかどうか
  ⅰ 不動産の場合は相当の代価で売却しても原則として詐害行為にあたる
   ア)費消しやすい金銭に代えることは担保価値を減少させるから
  ⅱ 債務を弁済する行為は原則として詐害行為にあたらない
   ア)債務の弁済は本来的な行為だから
   イ)ただし債務者が一部の債権者と詐害の意思を持って共謀した場合は
詐害にあたる
  ⅲ 一部の債権者の為に担保を設定する行為は原則として詐害に当たる
   ア)しかし子供の教育費を調達する目的などは詐害行為に当たらない
   イ)取引先による担保権実行を回避して営業を継続する必要のある場合は
     詐害行為に当たらない
 ④ 詐害行為取消権の行使における注意点
  ⅰ 詐害行為取消権を行使する相手方は受益者または転得者である
   ア)債務者は被告にならない
   イ)勝訴すると詐害行為は取消され目的物返還または価額賠償請求をする
  ⅱ 詐害行為取消権行使の結果目的物は債務者に返還されるか債権者に渡るか
   ア)不動産であれば登記が債務者に戻されその上で強制執行する
   イ)金銭の場合には債権者は自己に引き渡すように請求できる
  ⅲ 債権回収の手段として代物弁済、債権譲渡をする時の注意点
   ア)代物弁済契約等が詐害行為取消権に該当しないか調査する
  ⅳ 詐害行為取消権の目的物に関する注意点
   ア)財産が転々流通すると強制執行などの実効性が失われる
   イ)そこで処分禁止の仮処分の申立てをするのが一般的
2 債務引受
 ① 債務引受とは
  ⅰ 契約によって債務をその同一性を維持したまま移転させること
  ⅱ 引受人は債権者に当該債務の弁済をなす義務を負う
  ⅲ 履行引受
   ア)履行引受は債務の履行を引受ける点で債務引受と同じ
   イ)しかし履行引受は債権者との間には法律関係はない
 ② 債務引受の種類
  ⅰ 重畳的債務引受
  ⅱ 面積的債務引受の2種類がある
 ③ 重畳的債務引受
  ⅰ 引受人が原債務者と共に債務を負う形の債務引受のこと
  ⅱ 重畳的債務引受の成立 
   ア)債務者、原債権者、引受人の3者による合意
   イ)債権者と引受人
   ウ)原債務者と引受人の合意でも成立する
  ⅲ 重畳的債務引受の効果
   ア)原債務者と引受人の関係
    a)当事者に合意があればそれに従う
    b)合意がなければ民法上の連帯債務関係になる
   イ)従来の債務についての保証や担保権などは存続
  ⅳ 債務引受の合意に重畳的債務引受か免責的債務引受か区別がない場合
   ア)重畳的債務引受とする
 ④ 免責的債務引受
  ⅰ 引受人のみが債務を引受けて原債務者は債務を免れる債務引受のこと
  ⅱ 成立
   ア)債権者、原債務者、引受人による3者の合意
   イ)債権者と引受人による合意
   ウ)原債務者と引受人による合意では免責的債務引受は成立しない
    a)ただし債権者の承認または追認があれば成立する
  ⅲ もとの債務に付されていた保証、担保など
   ア)法定担保物権は免責的債務引受後も存続する
   イ)保証や約定担保物権は免責的債務引受と共に消滅する
    a)改めて設定契約を締結しなければならない


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