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第2節 不法行為における損害賠償額の範囲と額の算定 [取引を行う主体]

第2節 損害賠償に関する法律関係
Ⅰ 不法行為における損賠賠償の範囲と額の算定
1 不法行為責任が成立する要件
 ① 損害が発生していること
 ② 故意又は過失による行為によること
 ③ 加害行為と損害との間に因果関係があること
 ④ 加害行為が違法であること
 ⑤ 行為者に責任能力があること
2 不法行為が成立した場合の効果
 ① 被害者の加害者に対する損賠賠償責任が発生する
3 損害賠償の範囲
 ① 損害賠償の対象
  ⅰ 加害行為によって生じた損害
  ⅱ 加害行為と損害との間に因果関係があること
 ② 因果関係の3つの側面
  ⅰ 成立要件としての因果関係
  ⅱ 対象範囲の基準としての因果関係
  ⅲ 損害賠償の金銭評価としての因果関係
 ③ 因果関係とは
  ⅰ その行為がなければその損害は発生しなかった
  ⅱ 通常そのような行為があればそのような損害が生じることを予見できる
 ④ 損害賠償の範囲
  ⅰ 加害行為の結果として通常発生すべき損害(通常損害)
  ⅱ 特別の事情による損害も範囲に入る場合
   ア)加害行為のときに当事者が予見可能だった損害
4 損害額算定の基準時
 ① 物価の騰貴・下落がある場合に問題となる
 ② 因果関係からは原則として加害行為のときが基準
 ③ 特別の事情があるときはその価額になる
  ⅰ 加害行為の後に価額が高騰した場合など
  ⅱ 特別の事情についての予見可能性がなくては認められない
5 財産的損害の場合の賠償額の算定
 ① 所有権の侵害
  ⅰ 所有物が滅失した場合は滅失時の時価が損害額となる
  ⅱ 所有物が毀損した場合は修繕費用が損害額となる
 ② 生命の侵害
  ⅰ 死亡による財産的損害が損害額となる
   ア)死亡による財産的損害とは逸失利益のこと
   イ)逸失利益とは生存していれば得られたであろう収入の喪失のこと
  ⅱ 逸失利益の計算方法
   ア){(死亡当事の年収-本人生活費)×稼働可能年数}-中間利息
 ③ 身体の障害
  ⅰ 治療費、付添費、義足代などの実費
  ⅱ 治療期間中の得られなかった利益
  ⅲ 後遺障害で労働力低下により得られなかった利益など
 ④ 賃貸借の損害
  ⅰ 賃貸料相当額
 ⑤ 担保権の侵害
  ⅰ その侵害により債権が担保されなくなった部分
 ⑥ その他財産的損害
  ⅰ 名誉・信用の毀損による収入減少
  ⅱ 不法行為に基づく間接的な財産損害
   ア)自動車修理中の代替交通機関の利用代など
6 非財産的損害の算定
 ① 非財産的損害の種類
  ⅰ 精神的損害
  ⅱ 名誉・信用の毀損による損害など
 ② 精神的損害
  ⅰ 被害者が受けた精神的苦痛に相当するもの
  ⅱ 賠償額は慰謝料として支払われる
  ⅲ 慰謝料には明確な算定基準はない
   ア)加害の程度、当事者の社会的地位などが考慮される
  ⅳ 物損についての慰謝料は認められない
  ⅴ 社会てきにみて相当と思われる額が慰謝料額とされる
  ⅵ 慰謝料は硬直化する財産的侵害に対する賠償額の調整の機能
7 損益相殺・過失相殺
 ① 被害者の利益
  ⅰ 被害を受けた事で利益を受けるのは好ましくない
  ⅱ 被害者が被害を受けた際の調整手段は2つ
   ア)損益相殺
   イ)過失相殺
   ウ)調整は損害賠償の公平の為に行われる
 ② 損益相殺
  ⅰ 被害者が損害を受けながら利益も得た時に賠償額から利益を控除すること
  ⅱ 被害者の利益に該当しないもの
   ア)任意加入の生命保険・傷害保険
   イ)保険金は保険料支払に対する反対給付と考えられる
   ウ)香典・見舞金も損益相殺の対象にならない
 ③ 過失相殺
  ⅰ 被害者にも過失がある場合
   ア)損害の公平な分配という観点から考慮
   イ)損害額から被害者の過失割合額を差し引く
  ⅱ 事理弁識能力
   ア)過失相殺は被害者にも過失がなくてはならない
   イ)この場合の過失とは
    ・被害者が損害の発生を避けるのに必要な注意をする能力
    ・これが事理弁識能力である
   ウ)過失相殺の成否は事理弁式脳力だけでなく被害者の過失も考慮される
 ④ 被害者の過失
  ⅰ 被害者側の過失として考慮される事項
   ア)被害者と一定の関係にある被害者以外の者の過失
    ・被害者の子供の場合の親権者の監督責任
   イ)損害の公平な分配の観点から妥当な範囲に限定される
    ・子供であっても保育園の保育士が加害者なら過失相殺されない
8 債務不履行に基づく損害賠償責任と不法行為に基づく損害賠償責任の関係
 ① 法律関係の相違
  ⅰ 同じ点:加害者が被害者に対して損害賠償責任を負う
  ⅱ 相違点
   ア)債務不履行責任は契約などの当事者間で債権債務関係があること
   イ)不法行為は債権債務関係がなくとも成立する
 ② 債務不履行・不法行為の比較
  ⅰ それぞれ責任が認められる要件が異なる別個の制度
   ア)それぞれが独立して成立する
  ⅱ 両方の成立要件が満たされれば両方とも成立する
  ⅲ 被害者は両方の責任が成立すればどちらかを選択できる
 ③ 主張・証明責任
  ⅰ 債務不履行責任の証明責任は被害者にある
   ア)被害者は債務をきちんと履行したことを証明しなくてはならない
  ⅱ 不法行為責任の証明責任は被害者側にある
   ア)被害者は相手方の故意・過失により損害を被ったことを証明する
  ⅲ 特殊な不法行為責任は証明責任の転嫁が図られる
   ア)加害者が故意・過失のないことを証明しなくてはならない
 ④ 損害賠償請求権の消滅時効
  ⅰ 債務不履行に基づく損害賠償請求権の場合
   ア)民事債権については10年
   イ)商事債権については5年
  ⅱ 不法行為に基づく損害賠償請求権の場合
   ア)損害及び加害者を知ってから3年
   ウ)不法行為のときから20年
 ⑤ 金銭債務の特則
  ⅰ 債権者は損害の証明が要らない
  ⅱ 債務者は不可抗力を理由に債務不履行責任を免れることは出来ない
  ⅲ 履行の請求を受けた時から利率により損害賠償額が計算される
   ア)民事法定利率5%
   イ)商事法定利率6%
   ウ)約定があればその利率で計算される
  ⅳ 不法行為の損害賠償額の計算
   ア)不法行為があった時から民事法定利率の5%で計算される
 ⑥ 損害賠償額の予定
  ⅰ 履行遅滞や履行不能があったときに違約金を取る旨の契約は有効
  ⅱ 違約金は損害賠償額の予定と推定される
  ⅲ 損害賠償額の予定の効果
   ア)債務者は実際の損害が小さいことを証明しても減額できない
   イ)債権者は実際の損害が大きいことを証明しても増額できない
   ウ)裁判所は約定された予定額で判断する/これを増減することはできない


第2節 株式会社における業務執行者 [取引を行う主体]

Ⅴ 株式会社における業務執行者
1 取締役の役割と責任
 ① 取締役と会社の関係
  ⅰ 委任関係
  ⅱ 委任に基づく善管注意義務
  ⅲ 商法上の規定による忠実義務
 ② 取締役の競業避止義務
  ⅰ 競業避止義務の対象となる取引
   ア)会社の営業と同種又は類似の商品・役務を対象とする取引
   イ)会社と競合関係を生じるもの/小売と卸は競合しない
   ウ)会社が一時休止している事業
   エ)営業の準便着手している事業
   オ)会社の事業が発展して競合する可能性があるも事業
  ⅱ 競業取引に当たらないもの
   ア)定款の目的としてあっても会社が行う準備を全くしていない事業
   イ)定款目的であっても完全に撤退した事業
  ⅲ 競合取引をする場合の手続き
   ア)取締役が事前に情報を開示して取締役会の承認をとる
   イ)事後に報告をする
  ⅳ 取締役会の承認を得ないで競合取引を行った場合の効果
   ア)取引自体は有効
   イ)会社は取締役の義務違反を理由に損賠請求できる
   ウ)介入権を行使できる:取引を会社のためにしたものとみなす権利
 ② 利益相反取引の制限
  ⅰ 利益相反取引とは
   ア)自己取引:会社と取締役の間で利益が相反する取引
   イ)間接取引:会社と第三者の取引/取締役が保証人であるものなど
  ⅱ 取締役会の承認を得ないで行った利益相反取引の効果
   ア)会社との関係では無効
   イ)取締役と代表取締役は損賠責任を負う
 ③ 取締役の責任
  ⅰ 善管注意義務
  ⅱ 忠実義務
  ⅲ 第三者に対する責任
  ⅳ 取締役の責任は総株主の同意で免除できる
  ⅴ 一定額を限度として取締役の責任を免除できる
   ア)株主総会の特別決議
   イ)定款規定に基づく取締役会決議
2 取締役および取締役会
 ① 取締役会の形骸化
  ⅰ 株主総会の形骸化により代表取締役が取締役の選任権を掌握した
  ⅱ 業務執行の分化が進行した結果取締役が十分な情報を得られない
 ② 常務会
  ⅰ 複雑な経済環境下において機動的な意思決定を行う役割
  ⅱ 任意機関
  ⅲ 法廷の機関ではないため決議事項は取締役会の決議が必要になる
  ⅳ 重要財産委員会
   ア)法定の機関
   イ)取締役会決議事項の一部を取締役会により委任された者が決議できる
    ・重要な財産の処分・譲渡
    ・多額の借財
 ③ 取締役会の活性化の試み
3 代表取締役の役割と責任
 ① 代表取締役:会社を代表し会社の業務執行を行う機関
 ② 取締役・取締役会の関係
  ⅰ 代表取締役の権限
   ア)取締役会で決定した業務執行事項を執行する
   イ)営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為をなす権限を有する
   ウ)取締役会の監督に服する
  ⅱ 代表取締役の終任事由
   ア)取締役としての資格の喪失
   イ)任子の満了
   ウ)代表取締役の辞任
   エ)取締役会の決議による代表取締役の解任
 ③ 複数の代表取締役と共同代表取締役
  ⅰ 原則:複数の代表取締役がいても各自が会社を代表する
  ⅱ 共同代表取締役:複数の代表取締役が共同してのみ会社を代表できる
   ア)業務執行を慎重に行わせるため
   イ)代表権の濫用を防ぐため
   ウ)登記しなければならない
 ④ 代表権の確認
  ⅰ 代表権の制限
   ア)定款、取締役会決議のなどで代表取締役の権限を制限できる
   イ)代表取締役の制限は善意の第三者に対抗できない
   ウ)共同代表の場合は登記されているから善意の第三者にも対抗できる
 ⑤ 役付け取締役とは
  ⅰ 定款で取締役のうち会長・社長・副社長・専務などを設けること
  ⅱ 商法上の規定ではない
 ⑥ 表見代表取締役
   ↑第三者が代表権のない役付け取締役を代表権があると誤信すること
  ⅰ 表見代表取締役に当たる場合
   ア)会社がその名称の使用を取締役に許諾していること
   イ)取引の相手方がその名称ゆえに代表権があると誤信すること
   ウ)取引は直接会社に及ぶ
 ⑦ 会社債務と代表取締役
  ⅰ 原則:会社債務につき直接的な責任を負担しない
  ⅱ 現実:非上場企業などの場合は代表取締役に連帯保証を求める場合が多い
4 監査役の役割
 ① 業務監査権と会計監査
  ⅰ 監査役とは:取締役の職務執行の監査にあたる機関である
  ⅱ 監査役の権限
   ア)原則として会計監査のみならず業務監査にも及ぶ
   イ)適法性監査はある:取締役の行為が法令・定款に違反していないか
   ウ)妥当性監査には及ばない:取締役の行為が経営にとって妥当か不当か
   エ)監査役会
    ・大会社は強制される
    ・個々の監査権は独立して付与される
 ② 監査役の職務権限・義務
  ⅰ 報告聴取・調査権
   ア)いつでも取締役・使用人を問わず営業の報告を求めることが出来る
  ⅱ 子会社調査権
   ア)職務上必要な場合のみ
   イ)子会社に対しても営業の報告を求めることが出来る
  ⅲ 調査・報告義務
   ア)取締役が株主総会に提出する書類を調査する
   イ)法令・定款・著しく不当な場合は株主総会に報告する
  ⅳ 取締役会出席義務・意見陳述義務・取締役会召集権
   ア)取締役会出席は義務で必要な場合は意見を述べる
   イ)取締役が会社の目的の範囲外・法令・定款に違反する場合または違反する
    畏れのある場合は取締役会に報告しなくてはならない
  ⅴ 差止請求権
   ア)取締役が会社の目的・法令・定款に違反または会社に著しく損害を及ぼす
    可能性のある場合はその行為をやめるよう請求することが出来る
  ⅵ 監査役の辞任に関する意見陳述権
   ア)辞任後最初の株主総会でその理由を陳述できる
   イ)その他の監査役の選任・辞任についても陳述できる
  ⅶ 監査役の選任議案の同意権
   ア)大会社・みなし大会社の場合監査役の選任議案は監査役会の同意が必要
 ③ 会計監査人
  ⅰ 大会社みなし大会社は会計監査人を株主総会にて選任する
  ⅱ 会計検査人の権限
   ア)定時株主総会にて意見を述べることができる
   イ)選任・不再任・解任につき株主総会で意見を述べることが出来る
 ④ 監査特例法の重要性
  ⅰ 大会社に多くの規定がある
    ↑資本金5億円以上または負債総額200億円以上の会社
  ⅱ みなし大会社:資本金1億円以上かつ定款にみなし大会社となる規定
   ア)重要財産委員会や委員会等設置会社の規定などが適用される
   イ)多くの場合大会社と同じ規定を受ける
5 委員会等設置会社の仕組み
 ① 委員会等設置会社
  ⅰ 執行役:業務執行権限を有する
  ⅱ 指名委員会:取締役の候補者を決定する
  ⅲ 監査委員会:取締役、執行役の職務執行の監査等を行う
  ⅳ 報酬委員会:取締役、執行役の報酬を決定する
  ⅴ 取締役会:経営の基本方針、執行役の選任、法廷事項の決定など
   ア)多くのものを執行役にたいして委任することが出来る
  ⅵ 監査役・監査役会は設置することができない
  ⅶ 代表取締役も存在しない
 ② 委員会等設置会社における取締役会
  ⅰ 会社の業務執行のすべてについて決定する権限を有する
  ⅱ 取締役会の決定が必須な一定の事項を除き業務執行を執行役に委任できる
 ③ 指名委員会:取締役の選任・解任に関する議案の内容を決定する機関
 ④ 監査委員会と監査委員
  ⅰ 監査委員会
   ア)取締役・執行役の職務執行を監査する
   イ)会計監査人の選任・解任および不再任議案を検定する
   ウ)監査委員会を構成する取締役
    ・当該会社および子会社の執行役・支配人・その他の使用人を兼任できない
  ⅱ 監査委員
   ア)執行役が定款目的の範囲外の行為・法令・定款違反または違反の恐れの場合
    ・単独で取締役会に報告する義務
   イ)執行役が違法行為または当該行為により会社に著しい損害の恐れの場合
    ・当該行為をしようとしている執行役に対して差止請求が出来る
   ウ)監査委員の権限
    ・取締役・執行役などに対する職務執行に関する報告請求権
    ・業務・財産状況調査権
    ・子会社調査権
    ・会社対取締又は執行役間の訴訟、株主代表訴訟の会社代表権
    ・会計監査人の選任・解任・不再任議案の決定
 ⑤ 報酬委員会:取締役・執行役が受ける個人別の報酬の内容を決定する機関
 ⑥ 執行役:取締役会により委任された事項の業務執行をする機関
  ⅰ 執行役は取締役会に委任された事項の業務執行の決定権・執行権を有する
  ⅱ 取締役は執行役を兼任できる
  ⅲ 執行役と会社との関係は委任関係
   ア)善管注意義務・忠実義務がある
   イ)会社に対する任務懈怠の責任がある
  ⅳ 悪意又は重過失の場合は第三者に対しても責任がある
 ⑦ 代表執行役:会社を代表する機関である
  ⅰ 営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為を行う権限を有する
6 理事、執行役員
 ① 理事
  ⅰ 民法上の理事:業務執行機関であり法人の代表機関
  ⅱ 株式会社の理事:任意の機関であり法的には商業使用人
 ② 執行役員
  ⅰ 委員会等設置会社の執行役とは異なる制度
  ⅱ 会社の機関ではなく法的には商業使用人
  ⅲ 一般的に商業使用人の最高位にある
  ⅳ 表見代表取締役の規定が適用される余地がある
  ⅴ 執行役員の選任は取締役会の決議事項にあたると考えられる
7 商業使用人の対外的役割と責任
 ① 商業使用人とは
  ⅰ 商人の補助者として特定の商人に従属してこれを補助する
  ⅱ 商法による商業使用人の区分
   ア)支配人
   イ)番頭・手代
   ウ)物品販売使用人
 ② 支配人
  ⅰ 権限
   ア)営業主に代わってその営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為を
     なす権限を有するもの
   イ)支配人かどうかは名称ではなく事実上権限を有しているかで決まる
  ⅱ 表見支配人
   ア)善意の第三者を保護するため規定される
  ⅲ 義務
   ア)競業避止義務
   イ)精力分散防止義務
    ・営業主の許諾のない営業の禁止
    ・他の会社の無限責任社員または取締役の就任禁止
    ・他企業の使用人就任禁止
    ウ)介入権
    ・営業主は支配人の競業取引につき介入件を行使できる
 ③ 番頭・手代
  ⅰ 支配人の他に特定の事項について包括的な委任を受けた者のこと
  ⅱ 委任を受けた事項について一切の裁判外の行為を行う権限を有する
  ⅲ 社内的に制限を設けていても善意の第三者には対抗できない
8 代理
 ① 代理の効果:代理人の行った法律行為の効果は直接本人に帰属する
 ② 代理の成立要件
  ⅰ 代理権の存在
  ⅱ 顕名
  ⅲ 代理行為が存在すること
 ③ 無権代理
  ⅰ 無権代理の効果
   ア)代理権がないものが行った行為の効果は本人に帰属しない
   イ)本人がその行為を追認すれば行為のときに遡って本人に効果帰属する
   ウ)本人が追認拒絶すれば本人に効果帰属しないことが確定する
  ⅱ 本人が追認も拒絶もしないときの相手方の対応手段
   ア)相当の期間を定めて追認するか拒絶するかを催告できる
    ・期間内に本人から確答がなければ拒絶したものとみなす
   イ)自ら無権代理行為を取り消す
   ウ)無権代理人の責任を追及する
    ・自ら取消権を行使していないこと
    ・代理権のない事につき善意・無過失なこと
    ・無権代理人が行為能力を有すること
 ④ 表見代理
  ⅰ 表見代理の成立する場合
   ア)代理権授与表示
   イ)代理権踰越
   ウ)代理権消滅後
   エ)重畳適用:組合せて適用すること
  ⅱ 外観法理
 ⑤ 自己契約・双務契約の禁止
  ⅰ 自己契約:当事者の一方が相手方の代理人となること
  ⅱ 双務契約:同一人物が同一法律行為の当事者双方の代理人となること
  ⅲ 有効になる場合
   ア)本人が許諾するとき
   イ)単なる債務の履行のとき
  ⅳ 自己契約・双務契約は無権代理行為になる


第2節 株主と株主総会 [取引を行う主体]

Ⅳ 株主と株主総会
1 株主総会の位置づけ
 ① 株主総会定義:株主によって構成され株式会社の意思決定の最高機関である
 ② 意思決定は法律または定款で定められた会社の基本的事項に限定される
 ③ 定款により取締役会決議事項を株主総会決議事項とすることが出来る
 ④ 下位の取締役会等の機関に一任することはできない
 ⑤ 株主総会で決議できるのは提案された議案についてのみ
2 株主の議決権
 ① 一株一議決権の原則と例外
  ⅰ 原則:株主は一株につき一議決権を有する
  ⅱ 例外
   ア)議決権制限株式
   イ)会社が取得した自己株式
   ウ)単元未満株主
   エ)端株主
 ② 議決権の代理行使・書面行使・不統一行使
  ⅰ 代理行使:株主は代理人により議決権を行使できる/要委任状の提出
   ア)定款で代理人を株主に限定することは有効
   イ)株主総会を撹乱する恐れのない者は株主でなくとも代理人になれる
   ウ)上場会社は代理行使の参考資料を送付しなければならない
  ⅱ 書面行使・電磁的方法による行使
   ア)商法改正により書面をもって議決権を行使することができる
   イ)電磁的方法による議決権行使も取締役会決議があればできる
  ⅲ 不統一行使:複数の株式を有する株主が相反する議決権を行使すること
   ア)他人の為に株式を有する者の為の制度
   イ)一定の要件のもと商法は認めている
  ⅳ 取締役選任の累積投票
   ア)株主は取締役候補の数と同数の議決権を持つことが出来る
   イ)議決権を一人の候補者に投票することが出来る
   ウ)少数派の意見を取締役会に反映することが出来る
   エ)取締役会に党派的対立を生む弊害もある
   オ)多くの企業は定款によりこの制度を排除している
3 株主総会の招集と進行
 ① 株主総会召集の手続き
  ⅰ 株主総会は毎年1回、一定の時期に召集されなければならない
  ⅱ 原則
   ア)取締役会が株主総会日時・場所・議題・議案を決定する
   イ)代表取締役が取締役会決議に基づき召集する
   ウ)召集通知を会日の2週間前に送付する
    ・株主に出席の機会と準備の時間を与えるため
  ⅲ 株主による株主総会召集
   ア)株主総会召集請求権と召集権
   イ)株主総会費用は株主負担になる
 ② 召集手続きの簡素化
  ⅰ 全株主の同意で召集手続きが省略できる
  ⅱ 譲渡制限会社
   ア)定款に定める事により召集通知の発送を会日1週間前に出来る
 ③ 株主提案権
  ⅰ 原則:株主総会の議題・議案は取締役会が決定する
  ⅱ 株主提案権
   ア)要件
    ・6ヶ月前より引き続き総株主の議決権の1/100以上又は300個以上所有
    ・株主総会の8週間前までに書面をもって行使する
   イ)議題提案権:一定事項を株主総会の議題とすることが出来る
   ウ)議案提案権:議案の要領にすべく召集通知に記載できる
 ④ 決議事項と決議方法
  ⅰ 原則
   ア)定足数:総株主の議決権の過半数が出席
   イ)出席株主の過半数をもって決議すること
   ウ)定款を持って定足数・決議数は変更できる
  ⅱ 例外:特別決議と特殊の決議
  ⅲ 決議方法
   ア)書面または電磁的方法でも可能
   イ)株主総会手続き・株主総会自体を省略することが可能
  ⅳ 特別決議事項
   ア)総株主の議決権の過半数が出席で2/3以上の賛成で決議する
   イ)定款によって上記要件を加重することは可能
   ウ)定款によって定足数を1/3にすることは可能
   エ)株主の立場から見て重要性が高いものが特別決議になる
  ⅴ 特殊の決議事項
   ア)特殊の決議が必要な場合
    ・取締役と会社の取引において取締役の責任を免除するとき
    ・定款を変更して株式の譲渡を制限する場合
    ・株式会社から有限会社に組織変更する場合
4 株主の利益確保
 ① 株主総会の形骸化と株主利益の確保
  ⅰ 株主総会形骸化を阻止する理由
   ア)株主総会は取締役・取締役会の業務執行の適正確保の重要な機関である
   イ)実質的所有者である株主の会社経営に関与できる重要な機会である
  ⅱ 株主総会が形骸化する要因
   ア)多くの企業の株主総会が同一日に集中する
   イ)株主に十分な発言の時間を与えない強権的な進行
  ⅲ 近時
   ア)株主利益を実質的に図る要請が高まる
   イ)投資家向けの広報活動の場として積極的に利用
 ② 総会屋への利益提供の禁止
  ⅰ 総会屋に限らず株主の権利行使に対する財産上の利益供与を禁止
  ⅱ 違反した場合
   ア)取締役は供与した利益額につき会社に対して弁済責任を負う
   イ)供与を受けた者は会社に返還する義務を負う


第2節 株式と株券及び株主名簿 [取引を行う主体]

Ⅲ 株式と株券及び株主名簿
1 株式の意味と株主の権利義務
 ① 株式の意味
   ↑株式会社の実質的所有者である社員の地位である
  ⅰ 特色
   ア)細分化された均一的な単位の形をとる
   イ)多数の出資者の資本を集めやすく、大規模企業に適した出資形態
  ⅱ 持分複数主義
   ア)株主は出資額に応じて複数の株式を所有する
   イ)均一の割合的単位であるから出来る
  ⅲ 持分単一主義:人的会社の場合
   ア)社員が出資額に応じて大きさの異なる単一の地位を有する
 ② 株主の権利・義務
  ⅰ 義務:株式の引受価額を限度とする出資義務を負う
  ⅱ 権利
   ア)自益権:会社から経済的利益を受ける権利
   イ)共益権:会社の管理運営に参画する権利/様々な監督是正権がある
   ウ)単独株主権:1株の株主でも行使できる権利
   エ)少数株主権:
    ↑総株主の議決権の一定割合または一定数を有する株主だけの権利
  ⅲ 株主代表訴訟:株主が会社の代表として取締役の責任を追及する制度
 ③ 株主平等原則
  ⅰ 定義:株主としての資格に基づく法律関係については全ての株主を
        その有する株式の数に応じて平等に取扱わなければならない
        とする原則
  ⅱ 機能:少数株主の保護
  ⅲ 内容
   ア)各株式の内容が平等であること
   イ)内容が平等なら取り扱いも平等であること
   ウ)例外:特殊の株式、少数株主権の保有期間の規定など
  ⅳ 違反の効果
   ア)原則として無効
   イ)不利益を受ける株主が承認すれば有効
2 株式の種類と形式
 ① 無額面株式
  ⅰ 無額面株式とは:定款上一定の金額の定めがない株式のこと
   ア)現在の株式はすべて無額面株式
  ⅱ 無額面株式と資本の額との関係
   ア)原則として発行済み株式の発行価額の総額
   イ)発行価額の1/2を超えない範囲で資本組入れないことができる
 ② 特殊の株式
  ⅰ 優先株・劣後株・混合株
   ア)利益・利息の配当、残余財産の分配などに差を設ける
   イ)優先株:一般の株式に比べて優先的取扱いを受ける株式
   ウ)劣後株:一般の株式に比べて劣後的取扱いを受ける株式
   エ)混合株:ある点では優先株、他の点では劣後株である株式
  ⅱ 償還株式:配当可能利益で償却することが予定された株式
  ⅲ 議決権制限株式:議決権を行使できる事項について制限がある株式
   ・発行済み株式総数の1/2を超えることが出来ない
  ⅳ 種類株主総会により取締役・監査役を選任できる株式
  ⅴ 転換予約権付株式:他の種類の株式に転換請求権が付与された株式
  ⅵ 強制転換条項付株式:会社が他の株式に転換できることが出来る
3 単元株・端株制度
 ① 単元株制度
   ↑定款により一定数の株式を異端減の株式と定め一単元の株式には一個の
    議決権を認めるが単元株未満の株式には議決権を認めない制度のこと
  ⅰ 1000株を超えて一単元とする事は出来ない
  ⅱ 発行済み株式総数の1/200を超える数を一単元とする事はできない
  ⅲ 単元未満株主は一単元となるように会社に対し売渡請求が出来る
 ② 端株制度
   ↑株式の1株に満たない端数で1株の1/100の整数倍にあたるものを
    端株として一定の自益権を与える制度
  ⅰ 会社は端株の代金を株主に払って処理することも出来る
  ⅱ 単元株制度との併用はできない
  ⅲ 原則として端株原簿に記載される
  ⅳ 端株券を発行する事はできない/端株の譲渡は出来ない
  ⅴ 端株には会社に対して買取請求が認められる
  ⅵ 会社に対して売渡請求も認められる
4 株券と株主名簿
 ① 株券とは:株式を表彰する有価証券のこと
  ⅰ 記名株券:株主の氏名が記載される
  ⅱ 有価証券性:権利の移転・行使には証券の交付・譲渡によって行われる
  ⅲ 会社に対する効力:株主名簿の記載に基づいて行われる
  ⅳ 商号などの本質的事項が記載されていないものは無効
 ② 株券の発行
  ⅰ 会社は成立後または新株払込期日後遅滞なく株券を発行する
  ⅱ 成立以前または新株払込期日以前の発行は無効
  ⅲ 譲渡制限付株式は株主からの発行請求がなければ発行しなくて良い
 ③ 株券不所持制度
  ⅰ 不所持の請求をした株主はいつでも会社に発行を請求できる
  ⅱ 株式の善意取得制度によって株式を失わないようにする制度
 ④ 株券不発行制度:定款に株券を発行しない旨を設ける
  ⅰ 未公開会社における移行手続き
   ア)株主総会における定款変更手続き
   イ)既発行がある場合は株主への通知と広告
   ウ)既発行株券はすべて無効
   エ)株券不発行制度を採用した事を登記する義務
  ⅱ 株券不発行制度採用の法的効果
   ア)株式譲渡の効力は意思表示による
   イ)株主名簿のへの記載が第3者への対抗要件
   ウ)名義書換は原則として株主と株式取得者の共同請求
  ⅲ 未公開会社における先行実施:平成16年10月1日から
 ⑤ 株券失効制度
   ↑株主が株券を喪失した場合に善意取得されることを防止するため
    会社に対し株券喪失登録をとることによって株券を無効にする制度
 ⑥ 株主名簿
  ⅰ 株主名簿とは
    ↑株主および株式・株券に関する事項を記載した帳簿
   ア)株式の行使の都度株券を会社に提出する必要をなくす
   イ)株主管理事務の円滑化を図る
  ⅱ 株主名簿の効力
   ア)株式の移転は株主名簿に記載がなければ会社に対して対抗できない
   イ)会社は株主名簿の記載をもとに株主に通知・催告を行えば免責される
  ⅲ 株主名簿の基準日
   ア)一定の基準日に記載のあるものを株主とみなす制度
   イ)株主総会において権利を行使するものを確定するための制度
5 株式の譲渡
 ① 株式譲渡自由の原則:株主は株式を原則的に自由に譲渡する事が出来る
  ⅰ 株式譲渡の対価によって投下資本を回収できる
  ⅱ 株主有限責任と相俟って多くの人から資本の集中を可能にする
 ② 株式譲渡自由の制限
  ⅰ 法律による制限
   ア)権利株の譲渡制限
    ↑株式引受人としての地位
   イ)株券発行前の株式の譲渡制限
   ウ)親会社株式の取得制限
   エ)独占禁止法の株式取得制限
   オ)証取法によるインサイダー取引の規制
  ⅱ 定款による譲渡制限
   ア)理由:会社にとって好ましくないものを排除
   イ)株式の譲渡につき取締役会の承認が必要な旨を定款に定めることができる
   ウ)原始定款に定めることが出来る
   エ)定款変更で定めるときは特殊の決議が必要
    ・特殊の決議:総株主の過半数かつ議決権の2/3以上の賛成
   ⅴ投下資本の回収手段
    ・会社に対し譲渡の承認を請求できる
    ・譲渡を承認しないときは他に譲渡の相手方を指定することが出来る
 ③ 株式譲渡の方法
  ⅰ 譲渡の意思表示とともに株券を交付する
  ⅱ 株券不発行制度
   ア)株主名簿への記載が第三者への対抗要件
6 自己株式の取得と保有
 ① 原則:会社は自己の発行済株式または持分を買い受け保有することができる
 ② 自己株式保有の弊害
  ⅰ 資本維持の原則に反する
  ⅱ 株価操作の恐れがある
  ⅲ 現職取締役の地位保全の為に用いられる危険性
  ⅳ 特定の株主のみ有利に取扱われる危険性
 ③ 弊害を除去するための手続き
  ⅰ 一定の財源規制を設ける
  ⅱ 一定の承認手続き
   ア)定時株主総会の決議
   イ)取締役会の決議
    ・子会社の株式を取得する場合
    ・定款の定めがある場合→次期の株主総会で承認を求める必要がある
 ④ 処分と消却
  ⅰ 売却処分:新株発行と同様の手続き/取締役会の決議
  ⅱ 株式の消却:特定の株式を絶対的に消滅させること
   ア)定時株主総会の決議に基づく取締役会の決議で消却する


第2節 株式会社の設立 [取引を行う主体]

第2節 株式会社の仕組み 
Ⅱ 株式会社の設立
1 株式会社の設立とは
 ① 株式会社の設立とは
  ⅰ 営利社団法人としての実体を形成する
  ⅱ 法人格を取得する
 ② 設立の順序
  ⅰ 発起人が定款を作成す
  ⅱ 社員となるものを募集する
  ⅲ 社員が引き受けた出資の全てを履行する
  ⅳ 設立登記をおこなって会社となる
 ③ 設立に当たっての注意点
  ⅰ 物的会社である株式式会社は資本充実維持原則が強く要請される
2 株式会社が設立される場合
 ① 個人企業の法人成り
 ② 子会社・関連会社の設立
3 株式会社の設立の手続き
 ① 発起設立と募集設立
  ⅰ 発起設立:発起人が設立時の株発行の全てを引き受ける設立
  ⅱ 募集設立:発起人以外にも株主を募集する設立
 ② 定款:定款は会社の根本規則(電磁的記録でも可)
  ⅰ 絶対的記載事項:記載がないと定款が無効になる
   ・会社の目的
   ・商号
   ・会社が発行する株式の総数
    ↑取締役会で発行が認められる授権資本の枠を示したもの
   ・会社設立に際して発行する株式の総数
    ↑発行価格の1 /4を下回ることが出来ない
    ↑株式譲渡に付き取締役会の証人を要する会社には適用されない
   ・本店の所在地
   ・会社が広告する方法
   ・発起人の氏名・住所
↑ただし定款付則において会社設立後削除されることが多い
  ⅱ 相対的記載事項:定款に記載がないとその効力が認められない
   ・変態設立事項
    ア)発起人の受けるべき特別の利益および発起人の氏名
    イ)現物出資
    ウ)財産引き受け
     ↑会社設立を条件に特定の営業用財産を譲り受ける行為
    エ)発起人の受けるべき報酬の額
    オ)会社の負担に帰すべき設立費用
  ※ 事後設立:現物出資、財産引受の潜脱防止のための規定
    ↑会社成立後2年以内に会社成立前から存在する財産を営業の為に
     継続して使用する目的で資本の1/20にあたる対価で取得する契約
    ア)株主総会の特別決議を要する
  ⅲ 任意的記載事項:定款の記載事項として法廷されていない事項
   ・その変更には株主総会の特別決議が必要
 ③ 設立登記
  ⅰ 設立登記の目的
   ・法人格を取得する
   ・会社と法律関係を形成するものの保護を図る趣旨
  ⅱ 設立登記の時期:法律が定める手続きが終了した2週間以内に行うこと
  ⅲ 設立登記の付随的効果
   ・資本充実の観点から株式引受の無効・取消が制限される
   ・株券の発行や株式譲渡が可能になる
4 設立中の会社と発起人
 ① 設立中の会社
  ⅰ 設立中の会社(同一性説)
   ・設立中の会社と設立後の会社は社団としての実質において同一
   ・設立中の会社において形成された法律行為は成立後の会社が引き継ぐ
 ② 発起人の権限
  ⅰ 発起人の権限は営業行為には及ばない
  ⅱ 発起人の権限の範囲
   ・法律上経済上必要な行為
   ・開業準備行為のうち財産引受のみ
   ・それ以外の開業準備行為は成立後の会社が追認しても認められない
5 設立に関する責任
 ① 会社成立の場合の責任
  ⅰ 資本充実責任:会社設立に際して発行を予定する株式の総数の引受が必要
   ア) 起人・取締役が共同して株式を引き受けたものとみなす
    ・株式の申込が取り消されたとき
    ・会社成立後もなお引受がないとき
   イ)発起人・取締役が払込・給付未済財産の支払をする責任
    ・引受がなされても払込がなされていない
    ・引受がなされても現物出資の給付がなされていない
   ウ)会社に対して不足額を支払う義務
    ・現物出資・財産引受の実価が定款より著しく不足する場合
    ・ただし裁判所の選任する検査役の調査を受けた場合を除く
  ⅱ 預け合い・見せ金:資本充実の観点から発起人・取締役に担保責任
   ア)預け合い:発起人が払込取扱い銀行から金銭を借入れてこれを株式の
         払込にあてるがその借入金完済までは払込金の払出しをしな
         い旨の約束をするもの
    ・刑事罰がある
   イ)見せ金:発起人が払込取扱銀行以外から借財をなし株式の払込にあてる
        が会社成立後すぐにこれを引き出して借財を返済するもの
 ② 任務懈怠責任
  ⅰ 発起人の損害賠償責任
   ア)発起人の会社設立中の機関としての善管注意義務違反
    ・総株主の同意があれば免責される
    ・任務懈怠に付き悪意・重過失があれば第三者に対しても損賠責任あり
  ⅱ 取締役・監査役の損害賠償責任
   ア)監督機関としての調査義務を怠った場合
    ・会社および第三者にたいして損賠責任を負う
   イ)総株主の同意があれば免責される
   ウ)発起人にも責任がある場合はこれらの者が連帯して責任を負う
 ② 会社不成立の場合の責任
  ⅰ 発起人は会社設立に関してなした行為について全員が連帯して責任を負う
  ⅱ 既に支出した会社設立に関する費用も発起人全員の連帯責任となる
 ③ 擬似発起人の責任
   ↑発起人でなくとも株式申込書、目論見書などに自己の氏名を記載した者
  ・発起人と同一の責任を負う


第2節 株式会社の仕組み [取引を行う主体]

第2節 株式会社の仕組み
Ⅰ 株式会社の仕組み
1 会社債権者と株式会社
 ① 株式:社員の地位を細分化された割合的単位で表現したもの
 ② 間接有限責任
  ⅰ 社員は有する株式の引き受け価額を限度として責任のみ負う
  ⅱ 会社債権者にはなんらの責任も負わない
 ③ 資本:会社財産確保のための基準
 ④ 資本充実維持原則
  ・資本の額に相当する金銭的財産が株主の出資によって現実に拠出
  ・拠出された財産が会社に維持されなければならない
  ・発起人に担保責任を負わせてこの原則を貫いている
 ⑤ 公示主義:会社債権者に対して対外的信用に付き重要事項を登記事項とする
2 株式会社の経営機構
 ① 所有と経営の分離
  ⅰ 取締役:業務執行の責任と権限を持つ
  ⅱ 監査役:業務執行を監査する
  ⅲ 監査役会、社外監査役:大規模会社において監査の実効性を確保する
  ⅳ 委員会等設置会社:大規模会社の新しい経営形態


第1節 権利・義務の主体 [取引を行う主体]

第1節 権利・義務の主体
Ⅰ 権利義務の主体としての企業
1 企業の種類と機能
 ① 企業の種類
  ⅰ 個人企業:個人財産と自己の権限と責任で企業経営を行う企業形態
  ⅱ 共同企業:複数の人が企業主体を作り出した企業形態
   ・民法上の組合
   ・匿名組合
   ・法人格なき社団
   ・合名会社
   ・合資会社
   ・株式会社
   ・有限会社
 ② 共同企業の種類
  ⅰ 組合企業:民法上の組合と匿名組合がある
   ・匿名組合
     ア)出資者が利潤の配分にあずかるために営業者に出資する形態
     イ)対外的には営業者だけが権利義務の主体となる
     ウ)匿名組合員は法的には企業リスクに対してなんらの責任も負わない
 ⅲ 社団企業
  ・権利能力なき社団:権利能力の帰属主体としての地位を有さない
  ・会社:法人として独立の権利義務の帰属主体
 ③ 会社の種類
  ⅰ 人的会社
  ⅱ 物的会社
2 企業形態選択の自由
 ① 企業形態の選択:私企業がどの様な形態を選択するかは原則として自由
 ② 法人企業設立のコントロールの方法
  ⅰ 特許主義
  ⅱ 許可主義
   ・公益法人に関しては許可主義が取られている
  ⅲ 認可主義
  ⅳ 準則主義
   ・会社については準則主義が取られている
 ② 企業形態の選択と会社の法人性
  ⅰ 法人格否認の法理
   ・法人としての形式的独立性を貫くと正義、公平に反する場合に適用
   ・適用された場合には法人としての独立性を失い実態に即して取扱う

Ⅱ 企業が行う取引の特徴
 1 商人概念と商行為概念
  ⅰ 基本的商行為:この行為を行う者は商人
   ・絶対的商行為:営利性が強いもの
   ・営業的商行為:絶対的商行為より営利性が弱いもの
  ⅱ 固有の商人:自分の名義で商行為を行うものも商人
  ⅲ 犠牲商人:固有の商人でなくともある一定の行為は商人
  ⅳ 付属的商行為(補助的商行為):商人が営業のためにする行為も
  ⅴ 一般人:相手が商人であれば商法的用


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