So-net無料ブログ作成
会社取引の法務 ブログトップ

第2節 損害賠償による紛争の解決 [会社取引の法務]

Ⅲ 損害賠償による紛争の解決
1 民事訴訟を起こして裁判所の判断が必要な場合
 ① 加害者・被害者間での話し合いがつかない場合
  ⅰ 損害賠償責任の有無
  ⅱ 損害賠償責任の金額など
 ② 問題点
  ⅰ 判決までに長期間が必要
  ⅱ 控訴などでさらに長期化することもある
 ③ 民事訴訟以外にも様々な解決手段が用意されている

Ⅳ 損害賠償リスクへの対応
1 リスクへの対応策
 ① 予防措置を講じる
  ⅰ 商品の品質管理を徹底する
  ⅱ 業務管理を徹底する
  ⅲ 万一紛争が発生した場合に備えて社内文書を保管する
 ② JIS9900やISO9000シリーズ
  ⅰ 業務管理システムに関して基準を明確にしたもの
 ③ 損害賠償責任が生じた場合の経済的リスクに備える
2 損害賠償責任保険
 ① 損害賠償責任を負担したために被る損害をてん補する保険
 ② 保険契約者に保険金が支払われない場合
  ⅰ 保険契約者の故意による損害
 ③ 保険の種類
  ⅰ 損害賠償の種類に応じて保険の種類がある
  ⅱ 具体例
   ア)製造物責任に対応する製造物賠償責任保険
   イ)会社役員の責任に対応する会社役員賠償責任保険
   ウ)自動車保険など


第2節 法律上の損害賠償責任が問題となる場面 [会社取引の法務]

Ⅱ 法律上の損害賠償責任が問題となる場面
1 企業活動上の事故
 ① 施設の欠陥や管理の不備に起因する責任
  ⅰ 第一義的には施設の管理者が責任を負う
   ア)損害発生防止のための注意を果たしたと証明できれば責任を負わない
   イ)上記証明は大変困難
  ⅱ 施設管理者の責任が問えない場合は施設所有者が責任を負う
   ア)無過失責任
② 施設の用法に伴う業務の遂行に起因する責任
 ⅰ 施設の用法に伴う業務とは
  ア)その施設がなければできない業務のこと
 ⅱ 具体例
  ア)デパートのバーゲン売り場で客が殺到したため負傷者がでた
  イ)スキューバダイビング教室の訓練中に生徒が水死したなど
 ⅲ 債務不履行責任に問われる
  ア)施設利用者に対して安全配慮義務を負っている
  イ)安全配慮義務違反にあたる
 ⅳ 同時に不法行為責任も問題になる
   ア)上記スキューバでインストラクターに故意・過失がある場合など
 ③ 請負業者が負担する責任
  ⅰ 請負業者が負う法律上の損害賠償責任は
   ア)発注者に対する債務不履行責任、担保責任
   イ)第三者にたいする不法行為責任
   ウ)地盤沈下、工事の騒音・塵埃の発生などによる損害賠償責任など
 ④ 製造物の製造者・販売者、仕事の完成者が負担する責任
  ⅰ 広い意味での製造物責任がある
   ア)他人の生命・身体を害した
   イ)他人の財物を損壊した
   ウ)他人に休業を余儀なくさせた
 ⑤ 他人の財産の受託者が損壊・盗難により預け主に対して負う責任
  ⅰ 債務不履行責任
   ア)受託者と預け主の間には契約関係が成立する
   イ)受託者の責任は受託の態様により異なる
  ⅱ 一般の商人の場合
   ア)営業の範疇内であれば善管注意義務を負う
   イ)善管注意義務の範囲内で責任を負う
  ⅲ 旅館・飲食店・浴場の場合
   ア)不可抗力によって生じたことを証明しない限り責任を負う
2 労働災害の発生に対して企業が負担する法律上の損害賠償責任
 ① 労働災害により発生する損害賠償責任の種類
  ⅰ 発生要因
   ア)従業員による負傷、疾病、後遺障害、死亡
   イ)業務の遂行による
  ⅱ 労働災害による責任の種類
   ア)労働基準法上の責任
   イ)不法行為による損害賠償責任
   ウ)債務不履行による損害賠償責任
   エ)損害担保契約による責任など
  ⅲ 損害賠償責任を免れる場合
  ⅳ 政府労災保険の履行
   ア)給付額を限度として民法上の損害賠償責任を免れる
 ② 労働基準法上の責任
  ⅰ 労働災害である限り一定の補償義務を負わせる
   ア)故意、過失、安全配慮義務違反の有無にかかわらない
   イ)一種の無過失責任である
 ③ 私法上の損害賠償責任
  ⅰ 不法行為に基づく損害賠償責任
   ア)故意、過失がある場合
   イ)故意、過失がなくとも施設に欠陥がある場合
  ⅱ 債務不履行に基づく損賠償責任
   ア)労働者の生命と健康に対する安全配慮義務違反
    a)労働契約に基づく
  ⅲ 損害担保契約上の責任
   ア)企業が就業協約、就業規則の中で法定外補償を契約した場合の責任
   イ)労働基準上の災害補償、労災保険法上の保険給付の上乗せ補償
3 公害
 ① 企業活動に伴って周辺住民の健康や生活環境が害されること
 ② 不法行為による損害賠償責任として追及される
  ⅰ 過失や因果関係の証明は極めて困難
  ⅱ 近時、被害者に有利な方理論も展開される
   ア)公害と損害との因果関係の存在については厳密な証明がいらないなど
  ⅲ 無過失責任を負わせる特別法
   ア)大気汚染防止法
   イ)水質汚濁防止法など
 ③ 公害防止のため環境アセスメントの実施手続が細かく定められている
4 自動車事故
 ① 自動車事故と損害賠償
  ⅰ 自動車損害賠償法
   ア)自家用車の所有者に適用される特別の責任
   イ)人の生命・身体を害した場合に適用
 ② 運行供用者の責任
  ⅰ 責任の過重
   ア)損害賠償責任を免れることが難しい
   イ)3つの要件のすべてを証明できれば免れえる
  ⅱ 3つの要件
   ア)自己および運転者が自動車の運行に関して注意を怠らなかった
   イ)被害者または運転者以外の第三者に故意または過失があった
   ウ)自動車構造上の欠陥又は機能上の障害がなかった
  ⅲ 無過失責任とは異なる
   ア)不可抗力の場合は責任を免れる
   イ)正当防衛による事故の場合は責任を免れる
  ⅳ 一般の不法行為と同様の点
   ア)加害行為と損害との間に相当の因果関係がある
   イ)加害者は相当の因果関係の範囲内で損害賠償責任を負う
 ③ 自動車事故と過失相殺
  ⅰ 一般の不法行為と同様に過失相殺が生じる
  ⅱ 過失相殺は類型化され諸事情を考慮して過失割合が決まる
   ア)自動車事故の数は多いので経験則によりわかっていることも多い
   イ)自賠責保険・自動車保険適用の関係上類型化する必要性が高い
5 専門職業人の損害賠償責任
  ⅰ 専門的職業人は高度の信頼関係に基づいて行われる
   ア)医師、弁護士、公認会計士など
  ⅱ 依頼者や第三者に損害を与えればその損害を賠償しなくてはならない


第1節 保険契約 [会社取引の法務]

Ⅵ 保険契約
1 保険契約の種類
 ① 損害保険契約
  ⅰ 定義
   ア)当事者の一方が一定の偶然の事故によって生ずる損害をてん補する
   イ)相手方が対価を支払う
  ⅱ 特徴
   ア)損害てん補の契約
   イ)偶然の事故が対象であること
② 生命保険
  ⅰ 定義
   ア)当事者の一方が相手方又は第三者の生死に関して一定の金額を支払う
   イ)相手方がこれに対価を支払う
  ⅱ 特徴
   ア)定額払いであること
   イ)時期のみ不確定で発生事態には偶然性がないものが対象
2 保険契約の成立
 ① 諾成契約
 ② 実務上は書面の作成が必要
  ⅰ 内閣総理大臣から営業免許を取得する際に規定されている
 ③ 保険金の支払開始時期
  ⅰ 約款により保険金支払前の事故には支払われない
3 保険契約の射倖性
 ① 射倖:偶然の出来事に左右されること/賭博など
 ② 射倖契約:当事者の利得・損失の均衡関係が偶然に左右される契約
  ⅰ 保険契約は偶然性に左右されるので射倖契約の一つ
 ③射倖契約の効果
  ⅰ 著しく射倖性が高いものは公序良俗違反で無効
  ⅱ 保険契約における射倖性の弊害回避のチェック方法
   ア)被保険者には保険事故が発生しない事について経済的利益があるか
   イ)保険金額が世間の相場に比して不当に高くないか


第1節 寄託契約 [会社取引の法務]

Ⅴ 寄託契約
1 寄託契約
  ↑物の保管をする契約のこと
 ① 寄託契約の種類
  ⅰ 預金契約
  ⅱ 金銭消費寄託契約
  ⅲ 倉庫寄託契約など
2 金銭消費寄託契約(預金契約)
 ① 消費寄託契約
   ↑寄託者から受け取った寄託物を受寄者が消費して同種同僚を寄託者に返還
  ⅰ 消費賃貸借の規定を準用する
  ⅱ 目的物の授受によって成立する要物契約
 ② 預金契約の成立
  ⅰ 当事者間の合意と実際の預金が必要
  ⅱ 民法のほか預金約款が重要
   ア)預金約款は全国銀行協会が制定したものが多く採用されている
 ③ 受寄者・寄託者の権利義務
  ⅰ 受寄者は寄託者から受け取った物と同じものを返還する義務がある
  ⅱ 返還時期
   ア)定めがなければ寄託者が請求した時
   イ)契約に定めがあればその時期
3 倉庫寄託契約
 ① 倉庫営業:他人のために物品を倉庫に保管することを業とするもの
  ⅰ 所有権は移動しない
  ⅱ 国土交通大臣の許可が必要
 ② 倉庫営業の規定・約款
  ⅰ 商法の規定
  ⅱ 民法の寄託に関する規定
  ⅲ 国土交通省の作成した倉庫寄託約款・冷蔵倉庫寄託約款がある
 ③ 倉庫寄託契約の成立
  ⅰ 民法上の寄託契約なので要物契約
  ⅱ 寄託物の引渡し前の予約はできる
 ④ 倉庫営業者の権利
  ⅰ 保管料、立替金、その他費用の請求権
   ア)受寄物出庫の時と規定
   イ)特約で別の定めをすることも可能
    ・毎月支払う、入庫時に支払うなど
  ⅱ 留置権・動産保存の先取特権
  ⅲ 供託権・競売権
   ア)保管期間満了でも更新・引取りがない場合
 ⑤ 倉庫営業者の義務
  ⅰ 善管注意義務
  ⅱ 寄託者の許可なく下請契約は出来ない
  ⅲ 寄託者の請求でいつでも出庫させなくてはならない
   ア)倉庫証券を発行している時はその所持者に引渡す
  ⅳ 滅失・毀損の損賠責任
   ア)受寄物の保管に関して注意を怠らなかったことを証明できれば免責
   イ)約款で寄託者に証明責任を転嫁させている
    ・受寄物には損害保険を付す必要がある
  ⅴ 火災保険
   ア)倉庫証券が発行されたときは倉庫業法により求められる
   イ)寄託者が反対の意思を示さないこと
   ウ)契約者は倉庫営業者、被保険者は寄託者


第1節 委任を基礎とする契約 [会社取引の法務]

Ⅳ 委任を基礎とする契約
1 委任を基礎とする契約の種類
 ① 商法での4類型
  ⅰ 代理商契約
  ⅱ 仲立契約
  ⅲ 問屋契約
  ⅳ 運送契約
 ② 実際の形態
  ⅰ 代理商、仲立、問屋は法的概念が別でも実際は1つの商人が兼ねている
  ⅱ 実態に即して各種の業態に応じた法規制がなされる
2 宅地建物取引業者・旅行業等の契約
 ① 契約の特徴
  ⅰ 商法上の仲立人に相当する
  ⅱ 仲立人:商品の売買など他人の間に立って商行為の媒介を業とするもの
   ア)媒介とは両者を当事者とする法律行為の成立に尽力するもの
  ⅲ 商法の仲立営業に関する規定がある
  ⅳ 特別法がある
   ア)宅地建物取引業法
   イ)旅行業法
 ② 契約の成立
  ⅰ 仲立契約の成立
   ア)委託者から商行為の媒介をひきうけることで成立する
  ⅱ 宅地建物業者の媒介における義務
   ア)依頼者に対して遅滞なく法定事項を記載した書面を交付する義務
  ⅲ 旅行業者の媒介における義務
   ア)国土交通省の定めにより取引条件について旅行者に説明する義務がある
 ③ 仲立人の権利
  ⅰ 報酬の支払を受ける権利がある
   ア)報酬の請求前に契約書の交付手続を終えておかなければならない
   イ)報酬料には媒介に関する費用も含まれているのが原則
    ・特約可能
  ⅱ 宅地建物業者の報酬
   ア)国土交通大臣の告示する額が上限
   イ)上記を超える額は無効
  ⅲ 仲立人には当事者の為に給付を受領または支払う権限はない
   ア)当事者の一方が仲立人に給付しても債務を履行したことにはならない
 ④ 仲立人の義務
  ⅰ 善管注意義務
   ア)仲立契約は準委任契約であるから善管注意義務がある
   イ)委託者が契約の目的を達することが出来るように注意を尽くす義務がある
  ⅱ 宅地建物業者の特別な義務
   ア)取引関係者に信義を旨として誠実に業務を行わなくてはならない
   イ)書面にて取引主任者が説明する義務
    ・成約前に一定事項を記載した書面を依頼者に交付する
   ウ)守秘義務
  ⅲ 旅行業者の特別な義務
   ア)契約締結後遅滞なくサービスの提供を受ける権利を記載した書面を交付
   イ)上記書面がない場合は国土交通省令で定める書式を交付
  ⅳ 仲立人一般の義務
   ア)善管注意義務
   イ)当事者間の契約締結後遅滞なく一定事項を記した結約書を当事者に交付
   ウ)結約書に掲げた事項を帳簿に保存
   エ)結約書、帳簿に記載してはいけないこと
    ・氏名・商号を相手方に示さないよう求められた場合
     ↑ この場合氏名匿秘の費用を請求できる
   オ)相手方の為に自ら履行する責任
    ・氏名・商号を相手方に示さないよう求められた場合
     ↑ この場合氏名匿秘の費用を請求できる
3 損害保険代理店と代理商
 ① 損害保険代理店とは
  ⅰ 損害保険会社のために損害保険契約の締結の代理・媒介をなすもの
  ⅱ 商法上の代理商に当たる
 ② 代理商契約
  ⅰ 一定の商人からその営業の部類に属する取引の代理・媒介の委託契約
  ⅱ 締約代理商:代理商のうち代理をなすもの
  ⅲ 媒介代理商:代理商のうち媒介をなすもの
  ⅳ 代理商契約の成立
   ア)代理商と本人の間に代理商契約が結ばれる
   イ)損害保険代理店の場合は損害保険代理店委託契約が結ばれる
 ③ 代理商の権利
  ⅰ 報酬請求権:本人為になした行為についての報酬請求権
  ⅱ 留置権
   ア)取引によって生じた債権を留置できる
   イ)弁済期が到来していなければ留置できない
   ウ)被担保債権は代理商のなした全ての代理・媒介行為による債権が対象
    ・民法上の留置権と異なり牽連性はいらない
 ④ 代理商の義務
   ア)善管注意義務
    ・代理商と本人との関係は委任または準委任
   イ)本人に対する通知義務
    ・代理商が取引をなしたとき
    ・取引後遅滞なく通知する
   ウ)本人の営業の部類に属する取引をなしてはならない
   エ)同種の営業を目的とする会社の無限責任社員・取締役にはなれない
    ・本人の犠牲の下に自己又は第三者の利益を図らせないため
    ・これに違反した場合は本人による介入権が認められる
   オ)損害賠償責任
    ・代理商の行為により本人が損害を受けたとき


第1節 請負を基礎とする契約 [会社取引の法務]

Ⅲ 請負を基礎とする契約
1 建築請負契約
 ① 建築請負契約における発注者・請負人の義務
  ⅰ 請負人が仕事を完成することを目的とする契約
  ⅱ 請負人は請け負った工事の内容を完成させる義務がある
  ⅲ 発注者は請負代金を支払う義務がある
 ② 建築請負契約と建設業法
  ⅰ 建築工事の請負契約に関する規定
   ア)建設業法には建設工事の請負契約に関する規定がある
   イ)建設工事の請負に関する紛争処理の規定
   ウ)施工技術の確保に関する規定などがある
  ⅱ 契約書の作成に関する規定
   ア)民法では諾成契約
   イ)当事者の権利義務を明確にするため業法では契約書の作成を勧めている
   ウ)契約書の作成は注意義務に留まる
   エ)各種団体が約款を作成している
 ③ 請負代金の額・支払方法
  ⅰ 支払方法:定額請負と概算請負がある
   ア)定額請負:契約の締結に際して請負代金の総額を表示するもの
   イ)概算請負:契約締結の際には概算にとどめるもの
  ⅱ 支払時期
   ア)民法:目的物の引渡しのとき
   イ)実務:個々の状況に応じて具体的に特約する
  ⅲ 計画変更
   ア)完成時期の変更、設計変更など
   イ)各種の変更について契約書で処置について定めておくのが通例
 ④ 工事請負の瑕疵担保
  ⅰ 民法による請負人の瑕疵担保
   ア)無過失責任である
   イ)明認できる瑕疵か隠れたる瑕疵かを問わない
  ⅱ 瑕疵が何か
   ア)契約書や仕様書などで当事者が取り決めた資料から確定する
  ⅲ 瑕疵担保責任を負わない旨の特約
   ア)有効である
   イ)請負人が瑕疵の存在を故意に注文者に告げなかった場合は無効
  ⅳ 注文者の瑕疵修補請求
   ア)注文者は目的物に瑕疵があるときは相当の期間を定めて補修請求ができる
    ・瑕疵が重要でない時は請求できない
   イ)瑕疵修補請求に変えて損賠請求できる
   ウ)瑕疵修補請求とともに損賠請求できる
   エ)瑕疵が重要でない時は損賠請求のみ出来る
  ⅴ 解除
   ア)瑕疵が重要で契約の目的を果たせないなら解除できる
   イ)建物・土地工作物のばあいは完成後の解除はできない
    ・公益上の理由から
 ⑤ 担保期間
  ⅰ 土地工作物・地盤の瑕疵について5年
  ⅱ 工作物が石造・煉瓦造・金属造であるときは10年
  ⅲ 特約により短縮することが可能
  ⅳ 新築住宅について
   ア)完成引渡から10年間担保責任がある
   イ)短縮はできない
 ⑥ 請負契約の債務不履行
  ⅰ 請負人の義務
   ア)目的物を完成させる義務
   イ)目的物を引渡す義務
  ⅱ 工事完成前に損害が発生した場合の問題点
   ア)工事を完成させるための費用の負担は誰か
   イ)請負代金の支払は行うのか
  ⅲ 仕事が完成できる場合の債務不履行
   ア)請負人には仕事完成義務がある
   イ)請負人に帰責事由がある場合
    ・請負人に債務不履行責任がある
   ウ)注文者に帰責事由がある場合
    ・注文者に損害賠償責任
   エ)どちらの責任でもない場合
    ・請負人は請負代金の増額請求ができない
  ⅳ 仕事が完成できない場合
   ア)請負人の仕事完成義務は消滅する
   イ)請負人に帰責事由がある場合
    ・請負人の報酬請求権消滅
    ・請負人に債務不履行責任
   ウ)注文者に帰責事由がある場合
    ・請負人の報酬請求権は存続する
   エ)どちらの責任でもない場合
    ・請負人の報酬請求権消滅
 ⑦ 一括下請負の禁止
  ⅰ 下請負:仕事を請け負った建設業者と他の建設業者の請負契約のこと
  ⅱ 一括した請負:請け負った仕事の全部を下請負する
  ⅲ 一括した請負の原則禁止
  ⅳ 一括下請負できる場合
   ア)元請負人が施工管理に具体的、総合的に関っている場合
    ・技術指導、労務管理などで関与
2 製作物供給契約
 ① 製作物供給契約とは
   ↑注文に応じた物品を自己の材料で製作して供給しその報酬を得る契約
  ⅰ 法的側面
   ア)物品製作という請負契約の側面
   イ)供給という売買契約の側面
  ⅱ 具体的業者
   ア)建物の建築業者
   イ)オーダーメイドの製品(洋服など)
   ウ)機械の注文制作
 ② 法的問題
  ⅰ 請負契約と売買契約の違い
   ア)危険負担・瑕疵担保責任の内容が異なる
  ⅱ 請負契約となる場合
   ア)注文者の特別な指示・注文によって製作される場合
  ⅲ 売買契約となる場合
   ア)目的物が代替可能な場合
   イ)同種のものが存在する場合
3 運送契約
 ① 運送業とは:物品、旅客の運送を業として引受ける行為
 ② 運送人とは:運送営業をなす商人
 ③ 適用される法律
  ⅰ 商法
  ⅱ 個別の鉄道法、道路運送法、貨物運送取扱事業法など
 ④ 運送約款
  ⅰ 国土交通大臣による個別の認可
  ⅱ 業界団体で作成されるもの


第1節 リース契約 [会社取引の法務]

Ⅱ リース契約
1 ファイナンス・リース契約の仕組み
 ① 2つの契約
  ⅰ リース会社とユーザーのリース契約
  ⅱ リース会社とサプライヤーの売買契約
 ② ファイナンス・リース契約の仕組み
  ⅰ 形式的
   ア)リース会社が物件を買ってユーザーに貸している
   イ)ユーザーは賃貸料を支払っている
  ⅱ 実質的
   ア)ユーザーが物件を購入する
   イ)購入資金をリース会社が貸し付けている
 ③ 法律論
  ⅰ 実質に即して判断する
   ア)リース契約は賃貸借と金銭消費貸借の結合
   イ)問題となる局面ごとにどちらの性格が強いかで判断する
 ④ 三面当事者間の権利義務
  ⅰ 物件の所有権:リース会社
  ⅱ 物件の選定:ユーザーとサプライヤーが行う
   ア)物件の瑕疵についてリース会社は責任を負わない
   イ)修繕はユーザーの費用で行う
  ⅲ 物件の引渡
   ア)サプライヤーからユーザーに直接行われる
2 ファイナンス・リースの効用
 ① ユーザーにとって
  ⅰ 実質的金融効果
  ⅱ 財務面のメリット
   ア)リース料は経費となり損金扱い
   イ)減価償却を短期で行っているのと同じ効果
    ・通常法定耐用年数よりも短期でリース期間が組まれる
   ウ)陳腐化リスクの回避
    ・リース期間満了後直ちに新しい設備を導入できる
    ・ホテルなどのように定期的に模様替えを行う場合に便利
 ② サプライヤーにとって
  ⅰ 販売促進
  ⅱ 販売代金の早期回収
3 ファイナンス・リース契約締結までの取引の流れ
 ① ファイナンス・リース契約の申込
  ⅰ ユーザーが物件を選定することから始める
  ⅱ ユーザーは物件の選定が終わったらリース会社にリース契約の申込を行う
  ⅲ 通常はサプライヤーがリース会社に申込を代行する
 ② 申込を受けたリース会社の対応
  ⅰ 与信審査
   ア)ファイナンス・リースはユーザーに対して長期の信用を供与するもの
 ③ リース会社の承諾とリース契約の締結
  ⅰ ユーザーの申込とリース会社の承諾により成立(諾成契約)
  ⅱ 契約書はリース事業協会が作成した標準契約所が使われることが多い
  ⅲ リース料の支払は物件が引渡されリース会社に借受証を交付してから
4 売買契約の締結と物件の引渡し
 ① 売買契約の締結時期
  ⅰ リース会社とサプライヤーは売買契約を締結する
  ⅱ 売買契約はユーザーとリース契約を締結してから
   ・リース契約が不成立になると物件が在庫になる恐れがあるから
 ② 売買契約の形式
  ⅰ 注文書と注文請書の交付
   ア)リース会社は注文書を交付する(申込)
   イ)サプライヤーは注文請書を交付する(承諾)
 ③ 物件の引渡しと代金の支払
  ⅰ 物件の引渡し
   ア)物件はユーザーとサプライヤーの間で行われる
   イ)瑕疵の有無はユーザーの責任で行う
   ウ)ユーザーは引渡しを受けるとリース会社所定の借受証を受け取る
   エ)借受証をリース会社に交付する
  ⅱ 物件の引渡が債務不能となった場合
   ア)一般的な契約書ではリース会社は一切の責任を負わないのが普通
 ④ ユーザーの保守・修繕義務
  ⅰ ファイナンス・リース取引ではユーザーが保守・修繕を行う
  ⅱ 実務において
   ア)ユーザーはサプライヤーと保守・点検契約を締結する
 ⑤ リース契約における問題点
  ⅰ ユーザーとサプライヤーの問題
   ア)原則として直接の契約関係がない
   イ)サプライヤーの債務不履行について契約書で定める必要がある
    ・サプライヤーの債務不履行についてユーザーが責任追及できるなど
  ⅱ ユーザーとリース会社の問題
   ア)支払リース料の不払いが問題となる
   イ)何ヶ月分かのリース料を担保にして不払いに供える
   ウ)ユーザーの経営悪化の際には通知義務を課したりしている
5 リース契約終了後の処理
 ⅰ 終了後の処理の方法
  ア)ユーザーが再びその物件を借り直す(再リース)
  イ)物件をリース会社に返還する
  ウ)ユーザーが物件を買い取る
 ⅱ 再リースの場合
  ア)リース料は従前の1/10~1/12程度
  イ)上記を下回ると税務上リース物件が売り渡されたものとみなされる


第1節 ビジネスに関する法律関係 [会社取引の法務]

第3章 会社取引の法務
第1節 ビジネスに関する法律関係
Ⅰ 売買取引
1 売買取引の類型
 ① 売買取引は典型的な商行為(基本的商行為)
  ⅰ 営利目的の不動産・動産の売買(投機売買)
  ⅱ 賃貸目的での動産・不動産の有償取得など
 ② 商法・民法の売買における規定はきわめて簡略
  ⅰ 個々の取引の利害状況に応じて契約の中で解決するため
2 企業間での製品や原材料の売買取引(契約前段階)
 ① 取引の特徴
  ⅰ 我が国では固定的取引先との長期的継続的取引によることが多い
  ⅱ 長期的継続的取引のメリット
   ア)安定的製品供給
   イ)商品の使用を細かく指定できるなど
 ② 契約の成立
  ⅰ 契約準備段階の信義則
   ア)契約は申込と承諾の意思表示により成立する
   イ)企業間取引の場合の特徴
    ・契約交渉など契約締結前でも当事者に信頼関係が生じることがある
    ・契約前段階でも信義則上注意義務違反のより損賠責任を負う
  ⅱ 一時的取引と継続的取引
   ア)一時的取引では取引の都度申込と承諾の意思表示がなければ成立しない
   イ)一時的取引では申込に対して承諾しなければ申込は効力を失う
   ウ)継続的取引では基本契約を締結してその後の取引を簡便に行う
   エ)継続的取引では遅滞なく諾否の通知をしなければ承諾したものとみなす
    ↑諾否通知義務
    ・対話者間では諾否通知義務の適用はなく一時取引と同じ
  ⅲ 申込を受けた商人の受領物品保管義務
   ア)民法上:申込拒絶しても物品を返還したり保管したりする義務はない
   イ)商人が申込とともに物品を受け取ったとき
    ・その申込を拒絶してもその物品を保管しなければならない
    ・物品が小額なとき又は保管により損害を被るときは保管義務を免れる
3 企業間での売買取引における契約書の内容
 ① 売買の目的物の内容を明確にする
  ⅰ 目的物の内容
   ア)商品の品名
   イ)数量
   ウ)品質など
  ⅱ 品質について
   ア)民法:契約書に特定していなければ中等品を給付する
   イ)品質定め方:見本売買、仕様書売買、規格品売買、銘柄売買などがある
  ⅲ 目的物の数量について 
   ア)個数で定めることが望ましい
   イ)個数で定めることが出来ない場合は重量や容積で指定する
   ウ)指定数値の過不足についての許容範囲を定めておく(アローアンス条項)
 ② 引渡条項
  ⅰ 引渡し場所
   ア)引渡場所を契約で定める意義は持参債務か取立債務かを確定すること
   イ)引渡場所が定められていない場合
    ・特定物債務のときは契約時点で目的物が存在した場所
    ・不特定物債務のときは履行時における債権者の営業所
  ⅱ 引渡時期
   ア)引渡時期を定める意義は下記の基準として重要な意味になる
    ・所有権の移転
    ・当事者間での危険負担
    ・瑕疵担保責任
    ・品質保証
    ・責任期間
   イ)企業会計上も収益発生の基準日となる
   ウ)引渡時期が決められていないとき
    ・買主が履行の請求をしたとき(民法412)
  ⅲ 引渡方法
   ア)持ち込み渡し
   イ)据付渡し
   ウ)試運転検収渡しなど
  ⅳ 買主の検査義務・瑕疵通知義務
   ア)検査義務と瑕疵があった場合の通知義務を明確に定めておく
  ⅴ 目的物に瑕疵や数量が不足していた場合
   ア)不特定物売買に場合
    ・買主は売主に対して完全履行請求ができる
   イ)特定物売買の場合買主は売主に対し担保責任を追及できる
    ・瑕疵を知ってから1年間契約解除又は損賠責任の追求
    ・数量不足を知ってから1年間代金減額請求または損賠請求ができる
     ↑一定の場合には契約の解除も出来る
   ウ)商法は買主に検査義務・通知義務を課している
    ・買主が義務を怠れば売主に対して救済を求めることができなくなる
    ・検査義務・通知義務の内容は規定されていない
     ↑契約書に義務内容を定めることが必要
  ⅵ 買主の目的物保管・供託義務
   ア)検査の結果売買目的物に瑕疵があった場合の民法による解決
    ・契約解除の場合は買主が原状回復して売主に返還しなければならない
   イ)買主と売主が同一市町村内でない場合の目的物に瑕疵ある場合(商法)
    ・売主の費用で買主は物品を保管・供託する
    ・目的物に毀損・滅失の恐れがあるときは競売できる
     ↑裁判所の許可が必要で競売代金は保管・供託する
   ウ)目的物保管・供託義務の法制度
    ・商法上保管期間の定めがない
    ・目的物を競売する場合は裁判所の許可が要る
    ・買主にとって負担が大きい
   エ)実務上は買主の負担が大きいため契約で明確に定めておく
  ⅶ 所有権移転時期
   ア)民法上の特定物売買の時は契約時に移転
   イ)民法上の不特定物売買の時は特定時に移転
   ウ)民法上の規定では割賦販売・代金後払いの場合では売主に不利
   エ)特約で所有権移転時期を代金完済時まで遅らせる必要あり
  ⅷ 危険負担
   ア)商人間では特約により商品引渡の時に買主に危険も移転するよう変更
   イ)危険負担の内容は契約で明確に定めておくことが重要
  ⅸ 不可抗力免責条項
   ア)民法上は不可抗力による債務不履行は損賠請求も契約解除もできない
   イ)民法上なにが不可抗力なのかの定めがない
   ウ)不可抗力の内容を契約書で明確にしておくことが必要
  ⅹ 損害賠償
   ア)賠償額が意外なところまで拡大する恐れがある
   イ)軽過失の免責・賠償額の上限などを設ける必要がある
 ③ 売買代金額・支払条件
  ⅰ 売買代金額・支払条件・支払場所
   ア)売買代金:金額のみならず内訳も契約書で明確にする必要有り
    ・外貨取引では円価の換算レートも明確にする
   イ)支払条件
    ・どのような後払いにするかを契約で明確にする
   ウ)支払方法
    ・種類は現金、小切手、手形など
    ・手形は不渡りの危険があるので支払方法として認めるのか明確にする
   エ)支払場所
    ・売買の目的物の引渡と同時に支払うべき時は目的物の引渡場所
    ・上記以外は売主の営業所または住所
    ・特約で定めることも可能
  ⅱ 期限の利益喪失
   ア)代金支払に関しては利益喪失条項があることが多い
    ↑買主に信用不安が起こったときは直ちに代金支払の履行期を到来させる
   イ)期限の利益喪失事由
    ・手形・小切手の不渡り
    ・銀行取引停止処分
    ・差押・仮差押・破産
    ・民事再生・会社更生など
  ⅲ 交互計算
   ア)交互計算とは:債権債務の総額につき相殺をして支払う方法
    ・諾成契約かつ不要式の契約である(商法529~)
   イ)交互計算不可分の原則
    ・交互計算期間の債権債務を期間終了時に一括相殺される
    ・個別的な行使は停止される
   ウ)交互計算の積極的効力
    ・総裁が行われて残額が確定したら新たな債権債務が生じることになる
4 債務不履行
 ① 買主の債務不履行
  ⅰ 代金不払い
   ア)不可抗力をもってしても抗弁できない履行遅滞
    ・売主は損害の証明なく損賠請求できる
   イ)損賠が支払われない時は担保権実行、訴訟提起などの手続
   ウ)強制執行認諾文言付公正証書(執行証書)あれば直ちに強制執行できる
   エ)代金不払いは買主の信用状態の悪化を示している
    ・担保権実行、強制執行しても効果がないことが多い
    ・取引前、取引中の信用調査で危険な兆候を見逃さないことが大切
  ⅱ 買主の受領拒絶
   ア)買主が受領拒絶したら売主は引渡債務を逃れることが出来ない
   イ)買主の受領拒絶による増加した費用は買主が負担する(民法)
   ウ)売買目的物を供託して引き渡し債務を逃れることが出来る
  ⅲ 売主の自助売却権
   ア)民法は下記の条件で売主に自助売却権を認める
    ↑目的物を競売にかけること
    ・目的物が供託に適さない
    ・滅失・毀損の恐れがある
    ・その保全に過分の費用を要する
    ・裁判所の許可がある
   イ)商人間の売買取引の場合(商法)
    ・売主は相当の期間を定めて催告した上で競売できる
    ・腐敗・損壊しやすいものであれば催告なく競売してよい
    ・競売後遅滞なく買主に通知しなくてはならない
    ・競売代価を原則として供託しなくてはならない
    ・代金債権の弁済期が既到来の場合は競売代金を売買代金に充当できる
 ② 売主の債務不履行
  ⅰ 売買目的物の引渡の不履行
   ア)売主の履行遅滞の場合
    ・買主は損賠請求できる
    ・相当な期間を定めて催告しかつその期間に履行がなければ解除できる
   イ)確定期売買は催告をしないで契約を解除できる
    ↑一定の期日に契約が履行されないと目的が達せされないもの
    ・商法では相手方の履行の請求なければ当然に解除したものとみなす
  ⅱ 売主の不完全な引渡:不完全履行にあたる
   ア)契約において売買目的物の品質・数量などは明確にしておくべき
5 代理店・特約店契約~流通を経て消費者に達する売買契約①
 ① 取引の特徴
  ⅰ 代理店・特約店とは
    ↑商品の取引に関してメーカーと消費者の間に位置して継続的な
     販売関係を形成している者のこと
  ⅱ 代理店・特約店と商品供給業者の関係
   ア)代理店は売買関係の直接当事者となる
    ・メーカーと消費者の間で商品売買取引を行う
    ・売買取引による経済効果・権利義務は代理店に存在する
   イ)従属性
    ・代理店の商品供給業者に対する依存度は様々
    ・商品供給業者にとって専属代理店化は重要なテーマ
     ↑専属代理店の方が販売チャネルは強力
    ・フランチャイズ形態も代理店の一種
 ② 売買型の代理店・特約店
  ⅰ 基本契約~一般的な条項
   ア)取引開始の合意
   イ)個別取引の予約とその態様
   ウ)取引数量・価格・荷渡方法・支払条件
   エ)期限利益喪失条項
   オ)商品の所有権移転時期・危険負担・瑕疵担保条項
   カ)不可抗力条項
   キ)代理店の商品拡販義務
   ク)競業業者の商品の取扱いについて
   ケ)テリトリー条項
   コ)再販価格条項
   サ)商品供給会社の商標の代理店に対する使用許諾条項
   シ)商品供給会社の代理店にたいする諸援助条項
   ス)代理店の商品供給会社にたいする営業状況等の報告義務
   セ)相互の秘密保持義務
   ソ)契約期間及び更新条項
   タ)契約解除に関する条項
  ⅱ 約款としての性質
   ア)基本契約書は商品供給業者が作成した約款としての性格がある
    ↑約款とは当事者の一方が予め契約内容を決めておいたもの
   イ)当該約款は代理店にとっては不利になりやすい
   ウ)当事者間の力関係が対等でないとき
    ・契約自由の原則を修正して一部の効力が否定されることがある
  ⅲ 売買取引における代理の利用
   ア)代理商としての活動
    ・基本契約書に基づき代理店が代理商として活動する場合もある
   イ)代理商としての義務
    ・原則は代理人としての責任のほかは負わない
    ・当該取引の法的・経済的責任は商品供給業者が負う
   ウ)特約で商品供給業者が被った損害を代理店に追わせることがある
    ・個別の事情に応じて検討される事になる
  ⅳ 商品の売れ残りリスクと返品
   ア)原則は売買取引なので買主側が負担する
   イ)返品条件付契約
    ・商品供給業者が小売価格で買戻しをする
   ウ)委託販売の利用
    ・所有権は商品供給業者にある
    ・原則として売れ残りリスクは商品供給業者が負担する
   エ)売上仕入(消化仕入)契約の利用
    ↑小売店が消費者に販売した時点で供給業者との売買契約も成立する
    ・商品管理は商品供給業者が管理する
    ・売買取引と委託販売の中間的取引
    ・原則として商品売れ残りリスクは供給業者が負担する
6 委託販売契約~流通を経て消費者に達する売買取引②
 ① 取引の特徴
  ⅰ 委託販売契約とは
   ア)受託者は委託者の計算において委託者より供給された商品を販売する
   イ)委託者は受託者に報酬を支払う契約をする
   ウ)他人の事務を処理することを目的とするので民法の委任にあたる
   エ)商法上の問屋にあたる
    ↑自己の名で委託者の計算による販売は取次に当たる
   オ)受託者は消費者に対して売買契約の売主になる/権利義務が帰属
   カ)経済的損益は全て委託者に帰属する
   キ)受託者は商品販売の費用を前払で請求できる/損賠請求権有り
  ⅱ 委託販売契約による販売と売買取引による販売
   ア)供給業者と販売業者の関係は法的・概念的には売買か委託かは明白
   イ)現実に流通過程において委託か販売かを明確にすることは困難
    ・特別法により一定業種の特定業務は委託販売によることが規定されている
   ウ)特別法により委託販売であることが規定されている例
    ・中央棚卸市場の棚卸業
    ・証券会社における証券の取次
  ⅲ 流通過程における委託か販売かの判断基準
   ア)目的物の所有権が販売業者に移転しているか
   イ)販売業者から供給業者に給付される金銭の金額
   ウ)売れ残りリスクの負担関係
   エ)販売業者の利益が手数料かどうか
   オ)供給業者からの販売に関する指示
 ② 販売委託と指値
  ⅰ 指値は委託者による販売受託者の販売価格の最低限の指定
   ア)それ未満での販売を禁止する医薬者の意思表示
  ⅱ 受託者が指値未満で販売した場合
   ア)受託者が指値との差額を負担する時委託者の計算で行ったことになる
   イ)委託者に差額以上の損害があるときは損賠責任がある
    ・差額負担は受託者の権利であり委託者に対する請求権ではない
   ウ)受託者が差額負担をしない時
    ・受託者の債務不履行
    ・委託者は自己の計算であることを拒絶できる
  ⅲ 再販売価格維持制度
   ア)独占禁止法で禁止されている
   イ)商品の価格決定は商品の所有者が状況に応じて決めるべき
  ⅳ 販売委託における指値と再販売価格維持行為
   ア)原則:販売委託の指値行為は独占禁止法にあたらない
    ・委託者は決定した価格についてのリスクを自ら負っている
   イ)実際:取引の実質によって判断される
    ・形式上販売委託であっても実質が売買取引なら独禁法違反
 ③ 委託者と受託者と消費者の三面関係
  ⅰ 原則:委託者と消費者の間には直接の契約関係はない
  ⅱ 個々の法律関係については委託者と消費者の関係が問題になる
   ア)受託者と消費者の取引に詐欺が存在することを委託者が知っているなど
7 消費者契約~直接消費者を相手方とする商品の売買取引
 ① 取引と特徴
  ⅰ 企業が直接消費者に製品・サービスを提供する(消費者契約)
  ⅱ 民法および商法が適用される
  ⅲ 対等の立場を前提とする民法では消費者の利益は確保できない
   ア)民法は自由平等の原則に立脚
   イ)消費者は企業に対して概ね弱い立場におかれる
  ⅳ 消費者契約における消費者保護
   ア)信義則や公序良俗などの一般規定が適用される
   イ)消費者契約法をはじめとする様々な特別法がある
 ② 契約の成立
  ⅰ クリーングオフ
   ア)割賦販売および訪問販売のときに適用される
   イ)一定の場合に消費者が契約申込の撤回、契約の解除を行うことが出来る
  ⅱ 約款
   ア)約款とは多数の契約に用いるために予め定型的に作成された契約条件
    ・消費者契約においては約款が用いられることが多い
   イ)消費者契約も私法上の契約
    ・当事者の意思で契約が成立
   ウ)消費者保護
    ・企業の作成した約款は企業に有利に出来ている
    ・企業にとって大量取引のばあいは約款があると便利
  ⅲ 約款内容の適正確保
   ア)監督官庁の許認可
    ・保険、電気、熱供給業、運送、ホテルなどの一定の業種
   イ)業界団体が雛形
  ⅳ 商品の内容の開示と約款内容を知らずにした契約の効力
   ア)消費者への情報開示
    ・消費者は商品、サービスについて正確かつ十分な情報を得る必要がある
    ・情報の多くは約款に記されている
    ・約款の重要事項については事前に説明される必要がある
   イ)契約の成立条件
    ・約款の全てを知らなくても契約は有効
    ・重要事項の説明は十分にしておくべき


会社取引の法務 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。